九州沖縄農業研究センター

九州沖縄農業試験研究の成果情報

複合土壌病害抵抗性を有するピーマン台木の育成

要約

複合病害抵抗性を有する2つの葯培養固定系統から育成されたピーマンF1台木(台木4号)は、青枯病、疫病及びPMMoV抵抗性(L3)を有している。特に青枯病菌に対しては、強い抵抗性を有している。 

  • キーワード: ピーマン、台木、青枯病、複合病害抵抗性
  • 担当: 宮崎総農試・生物工学部、野菜部
  • 代表連絡先: Tel:0985-73-2125
  • 区分: 九州沖縄農業・野菜・花き
  • 分類: 研究・参考 

背景・ねらい

 近年、県内のピーマン作付け圃場において、青枯病による被害が増加、蔓延してきている。現在のところ薬剤等での防除による発症圃場での病原細菌根絶は不可能である。一部地域においては、民間種苗会社が育成した抵抗性台木を利用した接木栽培による対策が進められているが、採種面や今後のウイルス抵抗性等を含む他病害に対する迅速な対応、接ぎ木栽培技術の確立等の多くの問題を抱えおり、それらに対処するため県内台木品種の早期育成が望まれている。そこで、現地における青枯病による被害を最小限に抑えることを目的に青枯病に対し強い抵抗性を有する台木を育成する。

成果の内容・特徴

  • 複合病害抵抗性を有する2つの葯培養固定系統を交配し育成したピーマンF1台木(台木4号)は、青枯病、疫病及びPMMoV抵抗性(L3)を有する(表1、図1)。
  • 異なる地域で単離されたどの青枯病菌株に対しても強い抵抗性を示すことから、実用的な青枯病抵抗性台木として有用である(図1)。
  • 疫病に対しても「みやざき台木2号」と同程度の抵抗性を有する(データ省略)。
  • L3抵抗性を有する穂木品種と接ぎ木親和性があり、「みやざき台木2号」に比べ初期生育が旺盛である(データ省略)。

成果の活用面・留意点

  • 台木4号は、非常に強い青枯病抵抗性を有しており、青枯病多発地域において有望である。

具体的データ

 表1

図1  

その他

  • 研究課題名: ピーマンにおける青枯病抵抗性DNAマーカーの開発
  • 予算区分: 国庫(実用技術開発事業)
  • 研究期間: 2006~2008年度