要約
トルコギキョウ切り花を、ショ糖と果糖を1:1で組み合わせて前処理すると、観賞日数が延長し、蕾の開花・肥大の促進、花色の向上、小花のベントネック防止にも有効である。
- キーワード:トルコギキョウ、前処理、品質保持
- 担当:佐賀農研セ・有機環境農業部・土壌肥料研究担当
- 代表連絡先: Tel:0952-45-2141
- 区分:九州沖縄農業・野菜・花き
- 分類:技術・参考
背景・ねらい
トルコギキョウでは、出荷時に展開中途の小花があることが多い。小花の肥大・展開には多くの糖を必要とし、浸透圧の保持や花色の発現にも糖の関与は大きいとされる。これまでショ糖を用いた品質保持技術が報告されている。一方、糖の種類が異なれば、効果も異なると考えられる。
そこで、トルコギキョウの切り花について、観賞日数の延長や開花促進等の効果が高い糖の種類等の前処理条件を明らかにする。
成果の内容・特徴
- 糖を単独で前処理に用いると、障害の発生や観賞日数には品種間差がある。糖の種類では、ショ糖が障害の発生は少ないが観賞日数の延長効果はない(表1)。
- ショ糖と果糖を1:1で組み合わせて用いると、品種間差があるが、障害が発生しにくく観賞日数延長効果が高い(表2)。
- 前処理で糖を吸収させると、花弁の伸長促進、花色の向上、小花のベントネック防止にも有効である(表2、表3)。
- 処理濃度が2~5%の範囲では、糖吸収速度は濃度が高いと速く、3%と4%で観賞日数がやや長い(表4)。
成果の活用面・留意点
- 吸水速度は品種間差が大きく、効果と障害の発生も品種間差が大きい。
- 本試験では殺菌剤を併用した。
- 前処理後は、温湿度と照度は室内で成り行きとし、活け水は交換せず減少分を補充した。
- 風通しがよい場所での処理は、吸水量が過多になりやすいので注意する。
具体的データ
その他
- 研究課題名スプレータイプ切り花の採花後の開花促進と鮮度保持技術の開発:
- 予算区分:県単
- 研究期間2006~2008年度:
- 研究担当者:大塚紀夫、中山裕介、辻聡宏