要約
アスパラガス半促成長期どり栽培におけるハウスの夏季昇温抑制処理により夏芽の収量と品質が向上する。昇温抑制効果は側窓拡大と屋根開口の組合せで最も高い。
- キーワード:アスパラガス、昇温抑制、収量
- 担当:長崎農技セ・農産園芸研究部門・野菜研究室
- 代表連絡先: Tel:0957-26-3330
- 区分:九州沖縄農業・野菜・花き
- 分類: 技術・参考
背景・ねらい
暖地においてアスパラガスのハウス長期どり栽培を行う場合、夏季の高温は親茎の葉焼けや生長点枯死、薬害、斑点病などの病害発生による生育の悪化、若茎の開き、曲がり、裂開などの発生による収量・品質の著しい低下、さらには作業環境の悪化等を引き起こすため、昇温抑制対策が不可欠である。
そこで、アスパラガスの半促成長期どり栽培において、盛夏期のハウスの昇温抑制処理(図1)の効果と収量・品質に及ぼす影響を明らかにする。
成果の内容・特徴
- 屋根部を100cm幅で開口することは、側窓開放幅を慣行100cmから150cmに拡大することよりも昇温抑制効果が高く、両者を組合せることでさらに効果が高まる。(表1)。
- 5~7月の夏芽の収量、品質には、昇温抑制処理区と慣行区との間での差はほとんど見られない(表2)。
- 8~10月の夏芽では、側窓拡大+屋根開口処理によって慣行区よりも収量が増加し、若茎重、可販率、L級(18g以上の若茎)率も増加する(表2)。
- 8~10月の夏芽では、側窓拡大+屋根開口処理によって慣行区よりも外品率、裂開率が低下し、若茎品質が向上する(表2)。
成果の活用面・留意点
- 暖地におけるアスパラガスの半促成長期どり栽培の地域に適用できる。
- 試験は間口6m、奥行き30m、高さ3mの単棟ハウスで実施した。
- 昇温抑制処理は梅雨明けから開始し、最低気温が20°C未満になるまで24時間実施し、雨天時のみ中断した。
具体的データ
その他
- 研究課題名: 水田等の高度利用と新作型開発によるアスパラガスの周年供給体系
- 予算区分:国庫(実用技術開発事業)
- 研究期間:2006~2008年度
- 研究担当者:井上勝広、土井謙児