要約
アスパラガス半促成長期どりにおいて、かん水同時施肥では慣行の施肥量よりも3割減らしても同程度の収量が得られる。施肥は春芽収穫期から開始し、施肥量は立茎期と夏秋芽収穫期に多くなるように調整する。
- キーワード:アスパラガス、半促成長期どり、かん水同時施肥
- 担当:大分農林水産研野茶・野菜担当
- 代表連絡先: Tel:0974-22-0671
- 区分:九州沖縄農業・野菜・花き
- 分類:技術・参考
背景・ねらい
アスパラガスの半促成長期どり産地では年間の施肥量が多く、その低減技術が求められている。そこで、かん水同時施肥による減肥技術開発のため、施肥量と施肥期間を検討する。
成果の内容・特徴
- 施肥窒素は春芽収穫期の2月から吸収され始め、立茎期の5月以降に吸収量が増加するので、施肥量は立茎期と夏秋芽収穫期に多くなるよう調整する(図1、表1)。
- かん水同時施肥では、慣行より施肥量を3割減らしても同程度もしくはそれ以上の収量が得られる(表1、図2)。土壌溶液中の硝酸態窒素濃度は固形肥料に比べかん水同時施肥のほうが変動は少ない(図3)。
- かん水同時施肥では、春芽収穫期から施肥を開始するほうが立茎期から開始するよりも春芽収量は多い(表1、図2)。
成果の活用面・留意点
- かん水同時施肥には大分方式かん水同時施肥装置を用いた。
- 水管理は接点式水分センサーを用い、かん水開始点をpF2.0、1回当たりかん水量を1~1.5ミリとした場合に得られた結果である。
- 牛ふん堆肥を定植時に1t/a、2007年と2008年の春に0.5t/a施用した場合の結果である。
具体的データ
その他
- 研究課題名:水田等の高度利用と新作型によるアスパラガスの周年供給体系
- 予算区分:国庫(実用技術開発事業)
- 研究期間:2006~2008年度
- 研究担当者:佐藤郁、佐藤正幸、神﨑悠梨