要約
スイートピーの栽培期間終期の3月上旬に生長点を摘心しても増収もしくは品質向上効果はない。
- キーワード:スイートピー、栽培終期、摘心、生育、開花
- 担当:宮崎総農試・花き部
- 代表連絡先: Tel:0985-73-7094
- 区分:九州沖縄農業・野菜・花き
- 分類:技術・参考
背景・ねらい
栽培終期の3月は草勢の衰えなどにより切り花長が短くなったり、小花数が減少するなど品質の低下が認められる。そのため、スイートピーの栽培終期における摘心がその後の収量・品質の向上に及ぼす影響を検討した。
成果の内容・特徴
- 花径を除き,摘心によって花梗長はじめ各切花形質に有意差は認められなかった(表1)。また、花径についても大きな差ではなかった。1葉あたりの乾物重は摘心することにより増加することが明らかとなった。
- 切花本数については、4P2L本数はわずかに増えたものの有意差は認められなかった(表2)。
- 葉面積と乾物重について回帰分析を行ったところ、葉面積に対する乾物重が無処理区より重くなる傾向を示した。また、葉面積と花梗長についても回帰分析を行ったが、こちらについては区間差は小さかった(図1、図2)。
- 葉面積と花梗長、葉面積とその乾物重は正の回帰式の関係にあり、摘心により葉の乾物重は重くなる傾向が認められたが、切花本数、品質についてはほとんど差がなく、摘心による増収もしくは品質向上効果はないことが明らかになった。
成果の活用面・留意点
- 草勢がやや弱まった栽培終期での結果である。
- 品種は春咲き性品種の「ステラ」を用いた結果である。
具体的データ
その他
- 研究課題名:みやざきトップランナー切り花の新技術開発
- 予算区分:県単
- 研究期間:2004~2006年度
- 研究担当者:中村薫、福元孝一