SIP第2期 スマートバイオ産業・農業基盤技術の活動状況と成果
5 農業未利用資源の利活用
非可食農業残渣から化学工業の基幹物質であるC6糖を30円/kgで供給する技術、そのC6糖から高機能なバイオプラスチックを製造する技術を開発しています。
地域に賦存するアグリバイオ資源の活用を考えている企業・自治体等が農業生産者や化学企業と連携して活用することで同資源の高付加価値化、ひいては地域振興に役立てることができます。
研究概要・現在までの成果
稲わらやもみ殻などの非可食農業残渣に含まれるメジャー・マイナー成分から多様な化学品を製造することにより、化学工業の基幹物質であるC6糖を30円/kgで供給する事業モデルを構築しています(下図)。 ラボ又はベンチ規模での製造に成功したほか、C6糖製造の小規模実証プラントによる試験を開始しています。
- 非可食農業残渣を原料として10種を超える新素材、新化学品をラボ又はベンチ規模で製造
- 基幹物質であるC6糖を30円/kgで供給するための事業モデルを考案

社会実装のイメージ
国内外において、農業未利用資源の収集から、 C6糖ほか新素材への変換・提供までを担う共同企業体等が実装し、事業化することを想定しています。
研究担当機関
九州大学 農研機構 東レ株式会社 等
研究概要・現在までの成果
脂肪族に偏っているバイオ由来の材料開発を芳香族に拡張するため、バイオ由来芳香族マテリアルを用いた革新的高機能材料の設計・生産技術、それを支えるバイオモノマーの分子設計技術や効率的生産技術を開発しています。 史上最高の耐熱性を有する高性能バイオプラスチックや電気化学的安定性に優れた二次電池電解質の開発に成功しています(下図)。
高機能バイオマテリアル設計・生産技術開発
ポリベンズイミダゾール(PBI)を原料として、史上最高の耐熱性を有する超高性能バイオプラスチックの開発に成功

Liイオン電池や電気モーターの巻き線被覆材等として有望

PBI系イオンゲルをLiイオン電池の電解質に用いると充放電 サイクル後に界面抵抗値が大幅に低減することを解明

EV自動車用二次電池の材料として有望

PBI系イオンゲル電解質を用いた半電池によるLED点灯
社会実装のイメージ
環境に配慮している化学企業等が導入し、生物由来の高機能マテリアルを生産・提供することを想定しています。
研究担当機関
東京大学大学院農学生命科学研究科
理化学研究所
筑波大学 等