生物系特定産業技術研究支援センター

SIP

第2期 スマートバイオ産業・農業基盤技術

SIP第2期 スマートバイオ産業・農業基盤技術の活動状況と成果

  1. スマートフードチェーンプラットフォーム
  2. 育種の効率化
  3. 農業生産のスマート化
  4. 食によるヘルスケア産業創出
  5. 農業未利用資源の利活用

2 育種の効率化

育種データの取得・解析を容易にするとともに、遺伝子型と形質の関連モデルに基づき育種戦略を立案できるデータ駆動型育種プラットフォーム、効率的かつ高精度なゲノム編集を行える技術、DNAフリーのゲノム編集技術を開発しています。
これらの技術を活用することで、育種事業者は、市場が求める品種を短期間で的確に育成できるようになります。

データ駆動型育種プラットフォーム
研究概要・現在までの成果

大量の育種データを取得・蓄積・解析するための基盤を構築しました。現在、蓄積したゲノム情報とデジタル化した形質情報に基づき、遺伝子型と形質の関連モデルを構築しています(下図)。 本モデルを用いれば、遺伝子型から形質を高精度で予測できるため、選抜効率を大幅に向上できます。

データ駆動型育種プラットフォーム
  • 育種データの取得・蓄積・解析を規格化し、育種APIとのシームレスな連携を実現
  • 蓄積したゲノム情報とデジタル化した形質情報を解析し、関連をモデル化
  • 遺伝子型から形質を高精度で予測可能となり選抜効率が大幅に向上
  • 育種データの取得・利用基盤は完成済み
社会実装のイメージ

ITベンダー等の事業者が、「スマートフードチェーンプラットフォーム」のデータ・情報連携機能を活用し、多様な食関連サービスを開発・提供することを想定しています。 農業者・食品関連事業者に、1で提供する、高度品質保証や物流効率化、精密出荷予測等のサービスを活用していただくことを想定しています。

研究担当機関

農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)
東京大学 等

精密ゲノム編集技術
研究概要・現在までの成果

遺伝子を設計通りに精密に書き換えられるゲノム編集技術を開発しています。すでに、1塩基のみを目印としてターゲットを認識する技術、DNAフリーのゲノム編集技術を開発しています(下図)。 また、Webサイト「バイオステーション」を通じて、ゲノム編集等のバイオテクノロジーに関する最新情報を発信しています。

ゲノム編集を精密化する成果
C(シトシン)1塩基のみを目印にゲノム編集のターゲットを認識できるCas9改変体を開発
G(グアニン)についても1塩基で認識可能なCas9を開発済のため、A(アデニン)とT(チアミン)についても同様のCas9を開発すること

ウイルスベクターを用いたDNAフリーのゲノム編集技術を開発
接種したウイルスによりゲノム編集酵素を生産することで、植物に外来のDNAを組み込むことなくゲノム編集を実現

社会実装のイメージ

育種事業者が精密ゲノム編集技術を活用し、付加価値の高い品種を短期間で作出することを想定しています。

研究担当機関

農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)
東京大学
筑波大学 等