Answer1
遺伝子組換え技術を用いることで、遺伝子の機能を解明するなどの研究に役立つとともに、あらゆる生物の遺伝子を利用して、生物やその生産物の特性を改良できます。
Answer2
従来の農作物や家畜の育種(品種改良)では、交配可能な在来品種や野生種を遺伝資源とし、主に交配と選抜を繰り返す育種が行われてきました。
Answer3
遺伝子組換え技術を用いると、あらゆる生物種の遺伝子を育種に利用できます。つまり、交配不可能な生物種も育種に利用可能な遺伝資源となりますから、育種の可能性が広がります。これは遺伝子組換え技術を用いる際のとても大きなメリットです。
Answer4
遺伝子組換え農作物で最も利用されているのは、除草剤耐性と害虫抵抗性を有するものです。これらには微生物(細菌)由来の遺伝子が使われています。従来の育種技術ではなかなか作ることが困難な安定した除草剤耐性等を、遺伝子組換え技術を用いたからこそ導入することができました。
Answer5
遺伝子組換え技術を用いることで、自然界にある遺伝資源から得た遺伝子の塩基配列を改変し、自然界には存在しない高い機能を持ったタンパク質や酵素を大量かつ安価に生産することもできます。医薬品のインスリンの場合、インスリンを生産する遺伝子の一部を改変することで持続性あるいは即効性を持たせた製剤が開発されています。
Answer6
石油などの鉱物資源の減少や地球温暖化などの環境問題が重要な課題となる中、石油に代わるエネルギーや化学工業原料として植物の利用が注目されています。光合成能力を画期的に引き上げた植物の育種や、植物を原料にアルコールやプラスチックを生産する際に必要な酵素の生産には、自然界に無いタンパク質や酵素を生み出せる遺伝子組換え技術が鍵となります。
Answer7
以上のように、遺伝子組換え技術は、世界の食料問題、人類の健康増進、地球の環境問題、そしてエネルギー問題を解決する手段の一つとして、期待されています。