生物機能利用研究部門

遺伝子組換え農作物・食品ハンドブック

QVII- 6 『遺伝子組換えでない』あるいは『遺伝子組換え』の表示に必要な分別生産流通管理(IPハンドリング)とは何ですか?

Answer1

分別生産流通管理(IPハンドリング、Identity Preserved Handling)とは、非組換え農産物と組換え農産物がきちんと分けられて生産流通されたことを証明する根拠になります。IPハンドリングは、『遺伝子組換えでない』との任意表示をする場合に必要です。

Answer2

あまり知られていませんが、『遺伝子組換え』の義務表示をする場合にも必要です。

Answer3

IPハンドリングの方法は、作物ごとに流通マニュアルが定められています。流通マニュアルに書かれている方法で生産、流通、加工の各段階において分別を管理し、さらに分別されていることを証明書によって確認することになっています。

Answer4

非遺伝子組換えのダイズとトウモロコシの流通マニュアルは、財団法人食品産業センターが作成しています。なお、マニュアルが整備されていないナタネ、ワタ、アルファルファ、テンサイについても、ダイズとトウモロコシの流通マニュアルに準じて管理と確認をすることになっています。

Answer5

下記の流通マニュアルでは非遺伝子組換え農産物を分別生産流通管理するには、農機具、カントリーエレベーターなどの施設、輸送用のトラックや貨車、加工に用いる設備など、それぞれについて、非組換え専用にするか、共用する場合には前もってクリーニングするように定めています。

Answer6

非遺伝子組換えバレイショの流通マニュアルも、財団法人食品産業センターが作成しています。栄養繁殖性の作物である点と、日本へは加工品としてのみ輸入されることから、ダイズやトウモロコシとはやや異なった管理方法になっています。

Answer7

遺伝子組換えおよび非遺伝子組換えパパイヤの流通マニュアルは、消費者庁が発行しています。他の作物と異なり、最終消費者に果実そのものが提供されるので、消費者が店頭で判断できるようにとの考えで、管理と確認の方法が異なっています。具体的には、果実そのものを流通、販売する際には、証明書の代わりに決められたシールで表示することになっています。

米国および日本におけるトウモロコシ、大豆の流通形態