昆虫の体内には驚くほど多様な微生物が共生しています。その中には、宿主の生存や繁殖に重要な役割を担っており、宿主にとって必須の存在になっているものや、逆に厄介者でありながら、宿主の性や生殖を巧みに操作することにより繁栄しているものがあります。当研究グループでは、これら微生物の分子レベルでの機能解析、集団レベルでの影響解析を通じて、それらを利用した「革新的」昆虫制御技術の開発に繋げるため、以下のような研究を進めています。
- 共生微生物等が持つ機能の分子解析 : 多様な共生細菌や共生ウイルスが宿主に対して様々な影響を及ぼしていますが、その多くについて具体的なメカニズムが分かっていません。個々の分子メカニズムを明らかにするとともに、共生および宿主操作についての統合的理解を通じて技術開発の基盤を築きます。
- 共生微生物が宿主集団に与える影響解析 : 共生微生物を用いた昆虫制御技術の開発のためには、集団への影響を理解することが不可欠です。自然界において実際に共生微生物が宿主集団に与えているダイナミックな影響を観測・解析し、社会実装のための基礎的理解を深めます。
- 昆虫の宿主操作を利用した昆虫制御技術の開発 : 昆虫制御に有効な共生体を選抜し、実際に害虫を抑制する技術および益虫の性能を向上させる技術を開発します。科学的理解に基づいた安全で環境負荷の少ない技術の開発を目指します。