生物機能利用研究部門

精密ゲノム編集グループ

これまで実用化されてきたゲノム編集作物は、主に特定の遺伝子の働きを失わせることによって目的の形質が改良されています。しかし、目的の形質を細かく調整するためには、単に遺伝子の働きを止めるだけでは不十分な場合があります。そこで、酵素タンパク質の働きを微調整するためにアミノ酸配列の一部を置換したり、遺伝子がいつ・どこで・どれくらい働くか(発現量や発現パターン)を制御したりするなど、より精密なゲノム編集が重要になります。また、外国の技術に頼らず、日本の中で安定して使える作物のゲノム編集技術をつくるためには、国産のゲノム編集酵素を活かした研究も大切です。当グループでは、国産のゲノム編集酵素CRISPR-Cas3を利用した技術に加え、狙いどおりに遺伝子を改変できるプライム編集などの精密ゲノム編集技術や、遺伝子が働く量・タイミングを調節する遺伝子発現制御技術から成る作物ゲノム編集技術基盤を構築します。さらに、技術の効率と精度を高め、さまざまな作物へ応用することで、ゲノム編集作物の開発や社会実装を加速させることを目指します。

ゲノム編集を用いた代謝改変によりカロテンが高蓄積したイネカルス (Endo et al., (2019) Rice, https://doi.org/10.1186/s12284-019-0345-3を改変)
プライム編集酵素の模式図。ニッカーゼ型Cas9と逆転写酵素を融合した酵素が鋳型配列を逆転写することにより標的遺伝子を精密に改変できる。
イネの標的遺伝子の発現調節によって着粒数と稔実率の制御が可能に(Kuroha et al., (2025) Plant Biotechnol. J, https://doi.org/10.1111/pbi.70043を改変)
国産ゲノム編集酵素CRISPR-Cas3の模式図。

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