農村工学研究部門

農村工学研究部門メールマガジン

メールマガジン第89号(2017年8月号)

目次

1)トピックス
2)イベント情報
3)新技術の紹介
4)農村工学研究部門の動き
5)技術研修室より
6)ズームイン
7)こんにちは農業農村
8)農村の草花
9)研究者の横顔

1)トピックス

■【プレスリリース】平成29年7月九州北部豪雨による被災ため池等に関する現地調査報告書の公表

農研機構は、平成29年7月九州北部豪雨災害への技術支援の一環として現地調査を実施しました。流域で発生した土石流の影響等で、ため池を含む一部地域に大きな被害が発生しました。一方、ため池によっては、上流からの土石流を貯留し下流の被害軽減に貢献しました。

技術移転部 移転推進室広報プランナー 遠藤和子

(関連リンク)

http://www.naro.affrc.go.jp/publicity_report/press/laboratory/nire/076535.html

■【プレスリリース】潮の満ち引きを利用して地層の水の通りやすさを推定

自然の潮汐の大きな力による地下水位の変動を利用して、地層中の水の通りやすさを表す「透水係数」を推定する方法を開発しました。開発した本方法では、潮の満ち引きが伝わる距離の地層の透水係数を一組2地点の地下水位データだけで推定でき、広い範囲の地層の調査を少ない観測地点で行うことが可能です。

本法の利用により、農業用を含む地下水資源の利用可能量の検討が効率的に行えます。

技術移転部 移転推進室広報プランナー 遠藤和子

(関連リンク)

http://www.naro.affrc.go.jp/publicity_report/press/laboratory/nire/076501.html

■【プレスリリース】田んぼの水管理をICTで遠隔操作・自動制御

水田の水管理をスマートフォンやPCでモニタリングしながら遠隔操作したり、自動で給水と排水を制御できる国内初のシステムを開発しました。本システムにより、農研機構の実証圃場では、水管理にかかる労働時間を約80%削減でき、出穂期から収穫までの期間の用水量を約50%削減できました。また、本システムにより水管理の省力化と高度化の両立が可能となります。

技術移転部 移転推進室広報プランナー 遠藤和子

(関連リンク)

http://www.naro.affrc.go.jp/publicity_report/press/laboratory/nire/076704.html

■【プレスリリース】農業用水路の補修工事後の劣化を簡易に測定

補修工事後の農業用水路の劣化を「低コストで」「簡易に」測定する手法を開発しました。1か所あたりの測定のコストは従来法(コア法)の約3割以下、また所要時間は約3分です。本手法により広範囲の調査が可能となり、これまでは難しかった補修工事後の農業用水路の劣化状況の実態把握や合理的な保全管理を実現できます。

技術移転部 移転推進室広報プランナー 遠藤和子

(関連リンク)

http://www.naro.affrc.go.jp/publicity_report/press/laboratory/nire/076703.html

■農業技術クラブつくば共同取材

8月22日(火)に農業技術クラブ(農業技術関連のメディアで作られています)が例年行っている。つくば共同取材(平成29年前期)が行われました。この取材には、農業技術クラブから5社7名、筑波研究学園都市記者会から5社5名が参加いたしました。

技術移転部 移転推進室広報プランナー 遠藤和子

(関連資料)

http://www.naro.affrc.go.jp/org/nkk/m/89/01-05.pdf

2)イベント情報

■「農村を元気にする総合的な実証研究」シンポジウム開催(報告)

8月9日(水)に農研機構の主催で「農村を元気にする研究開発とは?」をテーマに「農村を元気にする総合的な実証研究」シンポジウムが開催されました。

山形県河北町の田宮栄佐美町長には、「雛とべに花の里でのスマート農村構想」をテーマに、「河北町スマート農村振興プロジェクト」での当研究部門をはじめとする専門家との連携や、住民参加型のまちづくりへの想いについてお話いただきました。

技術移転部 移転推進室広報プランナー 遠藤和子

(関連リンク)

http://www.naro.affrc.go.jp/topics/laboratory/naro/076725.html

■農研機構「夏休み公開」に出展しました!!

7月29(土)、食と農の科学館において、農研機構(つくば地区)夏休み公開が開催され、当研究部門から「水のふしぎコーナー」と「クイズで学ぼう 農村のふしぎ」の2つの企画出展を行いました。

技術移転部 移転推進室広報プランナー 遠藤和子

(関連資料)

http://www.naro.affrc.go.jp/org/nkk/m/89/02-02.pdf

■「アグリビジネス創出フェア2017」出展内容決定(再掲)

来る10月4日(水)~6日(金)にかけて東京ビックサイト東7ホールにて開催される「アグリビジネス創出フェア2017」に農研機構が出展いたします。

農村工学部門は、生/0521ブースにて出展する予定です。

また、今年は、セミナーセッションA313にも参加します。

出展内容等については、公式HP等でも今後公開されてまいります。ご期待ください。

日時:平成29年10月4日(水)~6日(金) 10:00~17:00
場所:東京ビックサイト 東7ホール
http://agribiz-fair.jp/

【農村工学部門の展示及びプレゼン内容】
農村工学部門は、生/0521ブースにて主に以下の内容で展示を行う予定です。

  • 「カットドレーンmini」
  • 「水利施設管理台帳システム」
  • 研究開発プレゼンテーション(セミナーセッションA313)
  • 「圃場-広域連携型水管理のための灌漑排水自動管理システムの開発」

技術移転部 移転推進室交流チーム長 猪井喜代隆

■「実用新技術講習会及び技術相談会」の開催案内

農村工学研究部門では、研究成果の社会への普及促進を図ることを目的として、「実用新技術講習会及び技術相談会」を下記の通り、開催します。

今回は、戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)で実施中の課題のうち「レジリエントな防災・減災機能の強化」に関する研究開発成果の報告を行うとともに、現場で活用できる新技術(15テーマ)について、専門の研究者がポスター等で判りやすく直接対面方式で説明します。

農業農村整備に携わる国や地方公共団体の行政機関、土地改良関係団体、民間企業(建設会社、設計コンサルタント等)の皆様に対して、有意義な時間となれば幸いです。

日時 平成29年11月1日(水)13:30~17:00
場所 東京大学弥生講堂・一条ホール
(東京都文京区弥生1-1-1 東京大学農学部内)
申込締切 平成29年10月6日(金)

申し込み方法などの詳細は、以下のURLをご参照ください。

技術移転部 移転推進室長 野道彰一

(関連リンク)

http://www.naro.affrc.go.jp/publicity_report/press/laboratory/nire/076875.html

3)新技術の紹介

■一目でわかる研究成果70より
「詳細地形等を考慮したため池決壊時の簡易氾濫解析手法」

ため池においては、地震や豪雨による万一の決壊に備えてハザードマップの整備が急務となっています。そこで、ハザードマップ作成時に必要となる浸水想定区域について、簡易かつ高精度に求める氾濫解析手法を開発しました。

この成果を組み込んだ、ため池氾濫解析ソフト「SIPOND(エスアイポンド)」を共同開発者のニタコンサルタント(株)よりリリースしています。

技術移転部 移転推進室広報プランナー 遠藤和子

(関連リンク)

http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/glance/files/cat08_1.pdf

「一目でわかる研究成果70」はこちらから
http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/glance/

ため池氾濫解析ソフト「SIPOND」はこちらから
https://flood-soft.jp

4)農村工学研究部門の動き

■水田の自動水管理諸技術の現地実証地区の視察(報告)

当研究部門では、中長期計画の下に水田の自動水管理諸技術の開発に取り組んでいます。去る8月8日、農研機構本部の長谷部研究推進担当理事が、茨城県内の2つの現地実証地区の視察を行いました。当研究部門からは山本部門長及び研究担当者等が参加したほか、関係者にも多く参加頂きました。

農地基盤工学研究領域長 原口暢朗

(関連資料)

http://www.naro.affrc.go.jp/org/nkk/m/89/04-01.pdf

5)技術研修室より

■平成29年度農村工学基礎技術A研修への参加感想をいただきました

6月20日(火)~8月10日(木)のおよそ2か月間にわたって、平成29年度農村工学基礎技術A研修が開催されました。この研修に参加された、坂井農林総合事務所農村整備部整備保全課(福井県)髙山恭輔さん、南周防農地整備事業所工事第二課工事第1係員(中四国局)川原千奈さんより、研修に参加しての感想をいただきました。参加前は不安もあったようですが、充実した研修生活を過ごして頂けたようです。この後、研修に参加される/参加を検討されている皆様に参考となれば幸いです。

技術移転部 技術研修室

(参加感想)

(1)坂井農林総合事務所農村整備部整備保全課 髙山恭輔さん
http://www.naro.affrc.go.jp/org/nkk/m/89/05-01-01.pdf

(2)南周防農地整備事業所工事第二課工事第1係 川原千奈さん
http://www.naro.affrc.go.jp/org/nkk/m/89/05-01-02.pdf

6)ズームイン

■獣害研究最前線-フィールドワークの様子(2)

イノシシやシカなど日本国内の比較的大きな野生動物は、「銃猟」及び「わな猟」で捕獲されています。前回は猟銃を使う「銃猟」について紹介しました。そこで、今回は罠で獲物を捕らえる「わな猟」について紹介します。

地域資源工学研究領域 資源評価ユニット上級研究員 成岡道男

(関連資料)

http://www.naro.affrc.go.jp/org/nkk/m/89/06-01.pdf

7)こんにちは農業農村

■日本における世界かんがい施設遺産(9)

第9回は、福岡県朝倉市にある山田堰、堀川用水、水車群をご紹介します。山田堰は日本三大暴川の異名を持つ筑後川の水圧と激流に耐えるため日本唯一の「傾斜堰床式石張堰」という精巧かつ堅牢な構造です。

(全国水土里ネット-新・田舎人フォーラム-のHPより引用)

施設所在:福岡県朝倉市
供用開始:1663年
登録年 :平成26年
英語名 :Yamadazeki Barrage System

企画管理部 企画連携室情報専門役 浜田善幸

(関連資料)

http://www.naro.affrc.go.jp/org/nkk/m/89/07-01.pdf

■自然豊かな農村工学研究部門(3)

今年の8月は9日までは30度を越える暑さでしたが、10日以降は30度を越えることはありませんでした。夏はどこに行ったのでしょうか?農作物の生育に影響がないか心配です。

第3回は、暑い日のうちに撮影した写真をご紹介します。

企画管理部 企画連携室情報専門役 浜田善幸

(関連資料)

http://www.naro.affrc.go.jp/org/nkk/m/89/07-02.pdf

8)農村の草花

■とても乙女が口に出しては呼ぶことができないかわいそうな花 ~ヘクソカズラ~

フェンスなどに絡んだつる草の葉っぱを千切ったときに、乙女ならとても口にするのも恥ずかしいような、アノ臭さに似た強烈な悪臭におぼえのある方も多いのではないでしょうか。各国でも、その悪臭を由来とした名前で呼ばれているこのヘクソカズラですが、盛夏につける花は楚々としてまるで早乙女のように可憐であることを知っていましたか。

水利工学研究領域 水域環境ユニット上級研究員 嶺田拓也

(関連資料)

http://www.naro.affrc.go.jp/org/nkk/m/89/08-01.pdf

9)研究者の横顔

■大和田辰明(おおわだ たつあき)

大和田辰明さんはこの4月に農林水産省から着任されました。行政官としての多彩な経験を背景に、行政と現場のニーズを踏まえた、用水管理の効率化のためのICTの利活用に関する研究などを取り組まれています。研究者として新たな活躍が期待されるニューフェースです。
(他己紹介:吉迫 宏)

(自己紹介)

http://www.naro.affrc.go.jp/org/nkk/m/89/09-01.pdf

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技術移転部 移転推進室 交流チーム