農村工学研究部門

農村工学研究部門メールマガジン

メールマガジン第106号 (2019年1月号)

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目次

1)トピックス
2)イベント情報
3)農村工学研究部門の動き
4)見学だより
5)つれづれなるままに
6)海外を旅する人へ -海外渡航ベテランからの一言-
7)こんにちは農業農村
8)農村の生き物
9)研究者の横顔
10)編集後記

1)トピックス

■吉川農林水産大臣が農村工学研究部門を視察

1月15日(火)に吉川農林水産大臣がスマート農業等、最先端の研究開発の現状などを視察されるため、農研機構を訪問されました。革新工学研究センターでロボットトラクタの説明を受けられたのち、当研究部門において、ICTを活用する圃場水管理システムをご覧になりました。

吉川大臣は、鈴木翔研究員の説明を熱心に聞かれ、自動給水栓からの水の出方を注意深く観察されていました。スマート農業技術にかかわる開発や実用化への取り組みについて、大臣にご理解いただくまたとない貴重な機会となりました。

(詳細情報)

■研究紹介動画を新規公開
「漏水探査ロボットでサイホン内の漏水音を探知する」
「ICTを活用したほ場・水利施設の水管理自動制御システム」

農研機構では、研究成果を動画で紹介するYoutubeサイト「NARO Channel」を運営しています。

このたび、農村工学研究部門より、「漏水探査ロボットでサイホン内の漏水音を探知する」と「ICTを活用したほ場・水利施設の水管理自動制御システム」の2本を新規掲載しました。他の動画と併せ、ぜひご覧ください。

(関連URL)

2)イベント情報

■農研機構新技術説明会(お知らせ)

「新技術説明会」とは、科学技術振興機構が企画し、公的研究機関から生まれた研究成果の実用化を目的に新技術や産学連携に関心のある企業関係者に向けて、研究者(=発明者)自らが直接プレゼンする特許の説明会です。

2月26日(火)、JST東京本部別館1Fホール(東京・市ヶ谷)において農研機構の研究成果を紹介する説明会が科学技術振興機構と農研機構の主催で開催されます。

当研究部門からは、地域資源工学研究領域地下水資源ユニット白旗主任研究員が「沿岸域の地下壁の止水機能を水位観測だけで評価する」表題で説明します。

(概要)
帯水層内に構築された地下止水壁について、潮位変動の伝播などによって振動する地下水位の観測データを分析して、止水機能を評価する技術です。地下壁を挟む2地点での地下水位時系列観測データから地点間の水理定数を計算し、簡易に止水機能を評価します。

 技術移転部 移転推進室広報プランナー 遠藤和子

(関連資料)

■人工知能未来農業創造プロジェクト公開シンポジウム(お知らせ)
- AIを利用した施設園芸・植物工場の未来へ向けて-

農研機構は、2月12日(火)、一橋大学一橋講堂において「人工知能未来農業創造プロジェクト公開シンポジウム- AIを利用した施設園芸・植物工場の未来へ向けて-を開催します。

当研究部門農地基盤工学研究領域農業施設ユニットの石井主席研究員が「AIを活用したきめ細やかな栽培環境を目指して」について講演します。

 技術移転部 移転推進室広報プランナー 遠藤和子

(関連URL)

■平成30年度東京フォーラム(農村振興研修会)(お知らせ)

3月7日(木)、科学技術館B2Fサイエンスホールにおいて全国農村振興技術連盟及び(公社)農業農村工学会主催で「農業農村の防災・減災と国土の強靭化~ため池などの農業水利施設の緊急対策。国土強靭化対策の動き」と題してフォーラムが開催されます。

当研究部門の梶原災害対策調整室長が「農業水利施設の防災・減災対策の研究状況(仮題)について講演します。

 技術移転部 移転推進室広報プランナー 遠藤和子

(関連URL)

■日本学術会議主催学術フォーラム/第7回防災学術連携シンポジウム(お知らせ)

3月12日(火)、日本学術会議講堂において日本学術会議、防災学術連携体(56学会)主催で「平成30年夏に複合的に連続発生した自然災害と学会調査報告」のシンポジウムが開催されます。

当研究部門の梶原災害対策調整室長が「平成30年の自然災害に対する農業農村分野の取組み」について講演します。

 技術移転部 移転推進室広報プランナー 遠藤和子

(関連URL)

3)農村工学研究部門の動き

■働き方改革実践報告?! -新米パパ奮闘記-

農村工学部門職員の年間出張件数ってご存知ですか? 約3,500~4,000件です。比較したことはないですが、一人当たりにしたらおそらく農研機構の中で断トツのトップと思われます。日夜、現場を奔走している我々ですが、そんな中にあって働き方改革※にも挑んでおります......。

今号では、第一子誕生に際し育児休業を取得した渡部主任研究員より、ユニットや技術研修室を巻き込んだ奮闘記を報告いたします。

日頃農村の生き物を相手にしている渡部主研、人間の赤ちゃんとどのように向き合ったのかという点も興味あります。

技術移転部 移転推進室広報プランナー 遠藤和子

※「働き方改革」の目指すもの

我が国は、「少子高齢化に伴う生産年齢人口の減少」「育児や介護との両立など、働く方のニーズの多様化」などの状況に直面しています。こうした中、投資やイノベーションによる生産性向上とともに、就業機会の拡大や意欲・能力を存分に発揮できる環境を作ることが重要な課題になっています。

「働き方改革」は、この課題の解決のため、働く方の置かれた個々の事情に応じ、多様な働き方を選択できる社会を実現し、働く方一人ひとりがより良い将来の展望を持てるようにすることを目指しています。(厚生労働省のHPより)

(関連資料)

4)見学だより

■東北農研業務第1科職員が来訪

東北農研業務第1科職員5名が来訪し、農村工学研究部門の研究成果である農家所有のトラクタに装着できる穿孔暗渠機「カットドレーン」について農地基盤工学研究領域の北川上級研究員から説明を受けました。

 農研機構本部技術支援センター業務第3科 総括作業長 小松崎隆男

(関連資料)

5)つれづれなるままに

■とあるおっさんの四方山話
第13回野生動物との遭遇

今回は干支にちなんで猪について筆者の関わりを思い出していこうかと思います。しかし、さすがに筆者も猪とはそれほど深い関係はなく、猪だけで十分な話題はありません。そこで、今回は干支の猪にはじまり、筆者がこれまでに野生動物と出会った時のことについて思い出してみます。

 「とあるおっさん」

(関連資料)

6)海外を旅する人へ -海外渡航ベテランからの一言-

■第2回「外国の鉄道で崖崩れによる不通区間が出たら、どう対処しますか? ドイツ、フランス、スペイン」

 「とあるかかしさん」

(関連資料)

7)こんにちは農業農村

■ため池百選(16) 福島県須賀川市「藤沼貯水池(藤沼湖)」

ため池百選とは、農業者の減少、高齢化の中で管理が難しくなりつつあるため池について、その歴史や多様な役割、保全の必要性を国民の皆様に理解いただく契機とするため、農業用の水源として秀でた特徴を有する全国のため池100地区を「ため池百選」として選定したものです。

このメルマガでは北から順番に紹介していますが、第16回目の今回は福島県須賀川市にある「藤沼貯水池(藤沼湖)」を紹介します。

藤沼貯水池(藤沼湖)は、長年水不足に苦しんでいた旧長沼・桙衝・稲田の1町2村の人々が、主に人力で築き上げたもので、昭和12年に着手し、12年の歳月を経て終戦直後の昭和24年に完成しました。

現在も下流の865haに及ぶ肥沃な水田に農業用水を配り、水不足のない生産性の高い営農に貢献しています。
 (農林水産省ホームページより引用)

 企画管理部 企画連携室企画チーム 浜田善幸

(関連資料)

■自然豊かな農村工学研究部門~第1実験用給水貯水槽に鴨~

1月10日、つくば(農工研)の最低気温-5.1°Cでした。部門内の第1実験用給水貯水槽は一面氷に覆われていました。鴨は水面が凍っていない所を見つけ気持ちよさそうに泳いでいました。

 企画管理部 企画連携室企画チーム 浜田善幸

(関連資料)

8)農村の生き物

■農村の鳥~コウノトリ~

コウノトリは、翼を広げると2mにも達する大型の鳥です。いったん野生個体は姿を消したものの、現在は放鳥が行われ、47都道府県への飛来が確認されています。サギなどと見間違えないように気をつけながら、コウノトリを探してみてはいかがでしょうか。

 水利工学研究領域 水域環境ユニット主任研究員 渡部恵司

(関連資料)

9)研究者の横顔

■中里 裕臣(なかざと ひろおみ)

地滑りを止めた男......2010年に行われた新規採用職員研修で、当時の農村工学研究所長が数ある研究所の成果の中でも、特に誇らしげに紹介してくれたことを思い出します。それは,山形県七五三掛地区で地滑りが発生し、ワイドショーにも取り上げられるなど全国的に動向が注目されるなか、中里裕臣基礎地盤研究室長ら(役職は当時)が発案された対策により、迅速かつてき面の効果を上げたというエピソードでした。偉大な業績を自らは語ることなく、目には見えない地下水脈や土地の成り立ちなど正確に探索しようとする姿は、研究者を超えて求道者と表現した方が適切かもしれません。プライベートでも鉄の道を究めているようで、公私ともに掘り下げると深い話が聞けることでしょう。

(関連URL)

 (他己紹介)坂田 賢

(自己紹介)

10)編集後記

■平成最後の年

新しい年になりましたが、平成31年は4月末日までです。まさか自分が昭和、平成、新しい年号と3つの時代を生き抜くことになるとは驚きです。

来年は東京オリンピックです。前回の東京オリンピック(昭和39年)当時は小学校一年生。家に白黒テレビをやっと買ってもらって観戦していた記憶があります。それまでは街頭テレビしか観たことがありませんでした。マラソンのアベベ、バレーボールの東洋の魔女をテレビの前に釘付けになり観ていました。まさか東京オリンピックを2回も見ることができるとは思ってもみませんでした。今回は4K有機テレビで観ることが出来るかもしれません。テレビの進化にも驚くばかりです。

亥年は、地震が多い年です。日本海中部地震(1983年)、阪神淡路大震災(1995年)、今年の1月3日には、熊本地震(和水町)が発生しています。地震に備えて万全の準備を日頃から行っていることが大事であると痛感する今日、この頃です。

 とあるおじさん

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