東北農業研究センター

トマト料理は、もっと美味しくなる!

メニュー提案が普及のポイント

生食用トマトに比べリコペンを多く含むクッキングトマトは、消費者の健康志向を背景に消費拡大が期待されています。しかし一方で、日本の一般家庭ではトマトの加熱調理に馴染みが薄いことに加え、安価なホールトマト等との競合が普及の支障となりがちです。そのため当面の普及対象として、トマトを多様な調理で摂取している消費者にターゲットをしぼらざるを得ないのが実情です。

ところが、アンケート調査結果によりますと、そうした消費者が生果を加熱調理する際の用途としては、「煮もの・煮込み」「パスタ」など、加熱後の水気の多さがあまり気にならない料理が多く、これらの用途では生果とホールトマトとの競合も生じています。ただし、トマトを多様な調理で摂取している消費者の89%はクッキングトマトを購入したいと回答しており、そのなかで、既に購入経験があり購入が継続している人は、加熱調理適性に魅力を感じ、比較的高価格帯での購入を受容しています(図)。したがって、トマトを多様な調理で摂取している消費者を対象にクッキングトマトの消費拡大を推進するうえでは、ホールトマトと競合しにくく独自の加熱調理適性をアピールしやすい「焼きもの」「炒めもの」のメニュー提案が重要な販売方策となります。

図:クッキングトマトの利用状況と商品としての魅力に関するコレスポンデンス分析結果