農業機械研究部門

システム安全工学研究領域

農業では、作業中の事故により毎年300名前後の尊い命が失われています。この数は、就業人口あたりに換算すると全産業平均の10倍以上にあたります。私達の生活に欠かすことのできない食料生産を担っておられる方々を守り、さらに次世代の人材を確保して、持続可能な農業を築いていくためには、農作業事故ゼロを目指した取り組みの推進が重要です。この取り組みを実効あるものとするためには、生産者の皆様をはじめ、国や都道府県などの行政機関、農協組織、民間企業、そして当機構のような研究機関が緊密に連携し、それぞれが役割を着実に果たしていくことが不可欠です。システム安全工学研究領域は、そのような連携の核として、現地調査による危険事象・改善事例の収集・蓄積、最新の手法を取り入れた分析を行います。また、得られた知見に基づき、教育・啓発システムの開発、農業機械の安全装置や安全システムの開発を行います。さらに、安全技術の民間企業での開発や現地への普及の促進に役立つ評価技術の開発・高度化を行うとともに、基準・規格などを通じた社会実装に取り組み、持続可能な農業の構築に貢献します。

乗用トラクタ用安全フレームの実機試験とシミュレーション(青色)の比較

領域長

冨田 宗樹(とみた むねき)

所属研究グループ