農業環境研究部門

気候変動緩和策研究領域

この領域では、農業分野における温室効果ガス(GHG)の排出削減と、生分解性プラスチック製農業資材の活用に関する研究に取り組んでいます。

GHG排出の削減は人類が直面している世界的な課題のひとつです。パリ協定のもと各国が削減努力をすることで合意しており、日本政府も2050年にCO2ゼロエミッションを目標とすることを表明しました。農業分野もGHGを排出しており、それを削減していく必要があります。そのために、将来の大幅なGHG削減のための革新的な技術開発に挑戦しています。一方で、これまでの研究の蓄積により実用化が近いGHG削減技術について、技術の体系化、技術の効果の総合評価や見える化により、普及を加速するための研究や、2050年にゼロエミッションを実現するためのシナリオ策定の研究に取り組んでいます。

2050年には、海のプラスチックが魚の量を超えるといわれており、プラスチック廃棄物の増加が大きな社会問題になっています。一方で、今の農業の現場ではプラスチック製農業資材は欠かせません。そこで、農業の省力化とプラスチック廃棄物削減という社会問題の解決に向けて、生分解性プラスチック製農業資材の活用技術の研究に取り組んでいます。

左上 :研究所内の温室効果ガス測定施設で大豆を栽培中
右上:生分解性プラスチックマルチの展張作業
左下:バイオ炭堆肥の散布
右下:ベトナムの水田における温室効果ガスの測定

領域長

白戸 康人 (しらと やすひと)

所属研究グループ