生物機能利用研究部門

遺伝子組換え農作物・食品ハンドブック

QV- 3 遺伝子組換えにより、農作物中に新たな有害物質が作られたり、既存の有害物質の量が増えたり、アレルギーを引き起こす心配はありませんか?

Answer1

遺伝子組換え技術により、挿入される遺伝子の全塩基配列は明らかであり、有害物質やアレルゲンを作る塩基配列が存在しないことが確認されています。また、目的外のタンパク質を作るような配列がないことも確認しています。

Answer2

既存の有害物質として、ナタネにはエルシン酸(エルカ酸)やグルコシノレートなど、また、ジャガイモにはソラニンなどのグリコアルカロイドなどの天然の有害物質が含まれています。遺伝子組換え技術を用いることによって、こうした有害物質が有意に増えていないことを確認したうえで、その安全性は既存の農作物と同等であると判断します。

Answer3

アレルゲンとなるタンパク質は、既知のアレルゲンと似通ったアミノ酸配列を持ち、胃腸の中の消化酵素や胃酸で消化されにくいといった特徴を持っています。そこで、遺伝子組換えによって新しく作られるタンパク質について、アミノ酸の配列の点で既知のアレルゲンと類似点がないか、胃腸で速やかに消化されるかなどを調べて、これらの条件に当てはまるかどうかを確認します。