東北農業研究センター

野菜新作型グループ

加工業務用として利用されるタマネギについて、生産量拡大と安定供給の実現のため、フードシステム全体を俯瞰した技術開発を進めます。加えて、持続可能な農業技術の開発にも取り組みます。
具体的には、育苗作業の外部化により、育苗技術や苗生育の良否の影響を受けにくく、気象の影響により変化する定植適期に応じたカスタマイズが可能な、セット球を用いた生産体系を構築します。
省力・安定生産をもたらすセット栽培技術に加え、オンラインで技術指導を実施する遠隔技術指導システム、生育モデルや気象データを活用した生産支援システムにより、多様な生産諸条件をふまえた標準的な栽培管理スケジュールを提示し、経験の少ない生産者が速やかに標準的な収量を確保することを支援します。
また、将来の地球温暖化対策や持続的な農業に向け、温室効果ガス削減や化学合成肥料削減を目指した新規施肥技術、病害発生リスクのセンシング技術とDXの活用に基づく効率的・効果的な防除技術、有機栽培や化学合成農薬削減に対応可能な害虫防除技術、の開発などに取り組みます。
これまで困難であった広域での生産者の連携を、開発したデジタルツールの活用により進めることで、東北地域における出荷数量の増加や出荷期間の延長が達成され、実需者にもメリットがもたらされると考えており、技術ばかりではなくタマネギサプライチェーン全体の相互理解を深める機会の提供に努めます。

生育モデルやセンシングを活用した栽培支援

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