東南アジアでは、九州等と同様にトビイロウンカという虫がイネを吸汁加害します。ひどく加害されるとイネが枯れてしまいます。
この虫の防除が昔から大きな課題でした。殺虫剤をまくと、それに抵抗性の虫が出現し、悩まされました。
その後、虫に抵抗性の品種が利用されるようになりました。これはフィリピンにある国際イネ研究所でこの虫に抵抗性を持つイネを作り、各国に配布したおかげでした。
問題は解決したかにみえましたが、抵抗性のイネも長い期間がたつと、これを加害することのできる系統の虫が出現しました。そのため、抵抗性開発と抵抗性を打破する虫の出現のいたちごっこが続きました。
前置きが長くなりましたが、今は抵抗性のイネはあまり使われておらず、減農薬栽培が主流です。
虫が多少増えても殺虫剤散布をできるだけおさえようという方法です。熱帯では天敵や生物の多様性が高いので、これで効果があるようです。