作物研究部門

作物見本園

成熟したいろいろな小麦の穂をご紹介します。


関東地方は6月6日に梅雨入りしたとみられるとのことで、作物見本園があるつくば市もけさは曇り空です。梅雨は別名を麦雨(ばくう)といいます。麦が熟する頃の雨の意味です。大麦に続き、小麦も成熟期を迎えました。


小麦全11品種のきょうの様子です。ただし右端から1、4、5番目の3品種は早く成熟したので、既に穂を全部刈り取ったあとです。右端から順に11品種の切り取った穂をご紹介します。

最初は農研機構が育成した「ゆめちから」。グルテンの力が強い、ブレンド利用に適したパン用品種です。写真は原寸が21cm×14cmで全品種共通です。

「きたほなみ」。指定試験事業で北海道立北見農試が育成した高品質な日本めん用品種です。北海道で栽培されている生産量日本一の小麦です。

ホクレンが育成した「春よ恋」。北海道で栽培されている主に春に種を播くパン用品種です。

「農林61号」。1944年に育成された日本めん用の品種です。穂発芽や赤かび病に比較的強く、関東から九州で広く栽培されてきました。

「さとのそら」。指定試験事業で群馬県が育成した日本めん用品種です。関東や東海地域で農林61号にかわって 栽培が増えています。

農研機構育成の「あやひかり」。関東~東海で栽培されている多収の日本めん用品種です。低アミロースで、うどんの滑らかなモチモチ感が特徴です。

農研機構育成の「ユメシホウ」。関東~東海での栽培に適した早生で多収のパン用品種です。

農研機構育成の「せときらら」。西日本での栽培に適した多収のパン用品種です。

農研機構育成の「ミナミノカオリ」。主に九州で広く栽培されているパン用品種です。

1935年に育成された小麦「農林10号」。肥料を与えても背が低く、倒れにくいため、世界的に多収品種の育成に活用されました。

農研機構育成の「セトデュール」。日本初のデュラム小麦の品種で、パスタに適しています。デュラム小麦はパンやうどん用小麦と同じコムギ属ですが、別の植物種に分類されます。

小麦11品種の穂を、上段左から右、下段左から右に紹介順に並べてみました。色や形に結構違いがあっておもしろいでしょう?今季の麦見本園のご紹介はこれで終わりです。ご覧いただきありがとうございました。