果樹茶業研究部門

育成品種紹介

うめ種(Prunus mume Siebold & Zucc.)の品種一覧

品種の名称公表日概要
和郷
(わごう)
2020年7月16日

自家和合性なので受粉樹が不要で結実が安定したウメ新品種です。果実が大きく、ヤニ果の発生が少ないため、梅干しや梅酒などの用途に優れた特性をもつとともに、開花期がやや遅いため、「白加賀」など開花期が遅い自家不和合性品種の受粉樹としても期待されます。果実の大きさに対して核が小さく、果肉の多い品種です。品種名は自家和合性を有し、「梅郷」の後代であることに由来します。

麗和
(れいわ)
2020年7月16日

自家和合性なので受粉樹が不要で結実が安定したウメ新品種です。果実が大きく、ヤニ果の発生が少ないため、梅干しや梅酒などの用途に優れた特性をもつとともに、開花期がやや遅いため、「白加賀」など開花期が遅い自家不和合性品種の受粉樹として期待されます。花弁は白色で実ウメでは少ない八重咲きであることから、花も実も楽しめます。品種名は、円形で整った綺麗な果実で自家和合性を有することに由来します。

翠香
(すいこう)
2009年9月24日

梅酒や梅ジュースなどの飲料用加工に適したウメ品種「翠香」(すいこう)を育成しました。他の品種にはない芳香があり、上質の梅酒や梅ジュースを作ることができます。

露茜
(つゆあかね)
2008年1月15日

「露茜」は、ニホンスモモ「笠原巴旦杏」にウメ「養青梅」交雑して育成しました。果実は60~70gと大きく、果皮はほぼ全面に赤く着色し、果肉も鮮紅色に着色します。酸味が強く生食はできませんが、赤い梅酒などの原料として利用の拡大が期待されます。
加賀地蔵
(かがじぞう)


育成地である茨城県千代田町では、6月下旬に収穫される中生のウメ品種です。果実は平均で30gを超え、「南高」と同程度になります。収穫期は「南高」より1週間以上早く、果皮の地色は緑色で、陽光面に赤く着色します。ヤニ果の発生は少なく、青梅としての品質良好で、梅干し製品の品質も「南高」と同等以上です。青梅、漬け梅兼用種として利用できます。
八郎
(はちろう)
  「八郎」は「地蔵梅」の自然交雑実生から選抜した中生のウメです。果実は15g前後のやや小さい中梅であり、品質良好な梅干し原料となります。自家結実性が高く、豊産性でヤニ果の発生も少ないため栽培性が優れ、東北地方から九州までのウメ産地に適しています。

育成者権満了品種一覧

品種の名称公表日概要
すももうめ中間母本農1号

スモモとウメの種間雑種で、スモモとウメの中間的な特性を持ちます。果実は酸味が強くて生食はできませんが、赤い梅酒の原料となります。
すももうめ中間母本農2号

スモモとウメの種間雑種で、スモモとウメの中間的な特性を持ちます。果実は70gを超えて大果ですが、糖度は低く酸味が強いため生食はできません。

中間母本とは、品種を育成するための優れている特徴(病気に強いなど)を持っているが、 栽培品種(果実を生産するための品種)としては、適していないものをいう。
品種を開発するための交配を行うことなどに使用している。