品種詳細

ウメ品種「八郎」は「地蔵梅」の自然交雑実生から選抜した中生のウメです。果実は15 g前後のやや小さい中梅で、品質良好な梅干し原料となります。自家結実性が高く、豊産性でヤニ果の発生も少ないため栽培性が優れ、東北地方から九州までのウメ産地に適します。

主要特性

• 樹勢はやや強く、樹姿はやや開張です。短果枝及び花芽の着生は多く、自家結実性が優れ、生理落果は少なく、収量は高く安定しています。開花期は「南高」の数日後で、黒星病の発生は中程度です。
• 収穫期は満開後90日から100日の中生で、「南高」より数日早く収穫できます。
• 果実の大きさは10～20 g、平均15 gで、やや小さめの中梅です。果形は短楕円形、果皮の着色は少なく、ヤニ果の発生は少ないです。酸含量は「南高」よりやや少なく、4.5～5.0%の範囲です。
• 核の大きさは中位で、核重率も10%余りで中位ですが、果肉が軟らかく品質の優れた梅干し製品が得られます。

表1 ウメ品種「八郎」の樹及び果実の特性(1996年度)

表2 「八郎」、「南高、「白加賀」の成熟期、果実重及び収量(1987～1996年)

図1 「八郎」の果実

図2 「八郎」の結実状況

図3 「八郎」の花

図4 「八郎」の樹姿