農村工学研究部門

農村工学研究部門メールマガジン

メールマガジン第93号 (2017年12月号)

今年も一年間、メルマガをご愛読いただき誠にありがとうございました。農村工学研究部門をより身近に感じていただけるよう、様々な記事・情報を皆様に配信させていただきましたが、いかがでしたでしょうか。来年もどうぞよろしくお願いいたします。

技術移転部長 小川茂男

目次

1)トピックス
2)イベント情報
3)新技術の紹介
4)農村工学通信より
5)見学だより
6)研究ウオッチ
7)こんにちは農業農村
8)農村の草花
9)研究者の横顔

1)トピックス

■『スマホでらくらく・かしこく水管理』 「2017年農業技術10大ニュース」のトップを飾る

農林水産省農林水産技術会議事務局が選定する「2017年農業技術10大ニュース」に「ICTによる水田の自動給排水栓を開発 -スマホでらくらく・かしこく水管理-」が選定されました。

「2017農業技術10大ニュース」とは、この1年間に新聞記事となった民間、大学、公立試験研究機関及び国立研究開発法人の農林水産研究成果のうち、内容に優れるとともに社会的関心が高いと考えられる成果10課題を農業技術クラブ (農業関係専門紙・誌など28社加盟) の加盟会員による投票を得て選定されたものです。

技術移転部 移転推進室広報プランナー 遠藤和子

(関連URL)

(1) 農林水産省農林水産技術会議事務局プレスリリース
http://www.affrc.maff.go.jp/docs/press/171220.html
(2) 当該技術のプレスリリース
http://www.naro.affrc.go.jp/publicity_report/press/laboratory/nire/076704.html
(3) 普及成果情報
http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/4th_laboratory/nire/2016/post_105.html

■2017年農業施設学会プレゼンテーション賞を受賞

この度、農業施設学会においてプレゼンテーション賞を受賞しました。本研究では、地表面での熱移動について、その大きさや挙動がハウスごとに異なることを観測データから明らかにしました。今後、更なるデータの収集と分析をすすめ、ハウス熱収支をより正確に予測することで、施設園芸分野での更なる省エネの推進につなげていきたいと考えています。

農地基盤工学研究領域 農業施設ユニット研究員 土屋遼太

(関連資料)

http://www.naro.affrc.go.jp/org/nkk/m/93/01-02.pdf

2)イベント情報

■「SATテクノロジー・ショーケース2018」の開催 (お知らせ)

2018年2月8日(木曜日)、つくば国際会議場において、つくばにおける異分野交流の場である「テクノロジー・ショーケース2018」(主催: つくばサイエンス・アカデミー: 会長 江崎玲於奈) が開催されます。

ショーケースのねらいは、つくばをはじめ首都圏で活躍する研究者・技術者が、最新の研究成果、アイディア、技術を持ち寄り、相互に披露し交流する、つくばならではの異分野交流の場を提供することにあります。

農研機構が実行委員会の主担当となった今回のショーケースのメインテーマは、「つくば発-ゲノム科学がつむぐ未来」とし、特別講演やミニシンポジウムでは、近年進展著しく近い将来私たちの生活を変える可能性のある「ゲノム研究」に関する最新の成果と今後の展望について最新情報を紹介する予定です。

また、ポスター発表には、農村工学研究部門から施設工学研究領域地域防災ユニット 吉迫 宏ユニット長が、「ため池氾濫解析ソフトSIPOND (エスアイポンド)」を出展します。

ショーケースはどなたでも参加できます。多くの皆様のご来場をお待ちしております。

技術移転部 移転推進室長 野道彰一

(関連資料)

http://www.naro.affrc.go.jp/org/nkk/m/93/02-01.pdf

■農研機構市民講座にお邪魔してきました -樽屋ユニット長 講演報告-

12月9日 (土曜日) 食と農の科学館において農研機構市民講座が開かれ、水利工学研究領域水利システムユニットの樽屋ユニット長が講演を行いました。その様子を報告します。

技術移転部 移転推進室広報プランナー 遠藤和子

(関連URL・資料)

(1)公演の報告
http://www.naro.affrc.go.jp/org/nkk/m/93/02-02.pdf
(2)農研機構市民講座案内ページ
http://www.naro.affrc.go.jp/publicity_report/shiminkouza/index.html

3)新技術の紹介

■劣化した農業用パイプラインの改修工法の経済的な設計手法

現場硬化管 (既設管内面に密着するように更生材を樹脂で硬化させる管) による老朽鉄筋コンクリート管 (既設管) の改修では、既設管の存在による現場硬化管の土圧分布の変化を考慮することで経済的な設計が可能となります。

技術移転部 移転推進室広報プランナー 遠藤和子

(関連URL)

http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/4th_laboratory/nire/2016/nire16_s06.html
http://www.naro.affrc.go.jp/org/nkk/jituyo/all/pdf/03-01-01-02.pdf

■霞ヶ浦の水質保全対策にのための霞ヶ浦流域のハス田のGISデータ

霞ヶ浦の水質保全対策にに役立てるために整備した霞ヶ浦流域のハス田のGISデータ (KMZファイル形式) を農研機構ホームページに公開しました。ハス田は、RapidEye衛星データを用いた衛星画像解析とGoogle Earth画像を用いた航空写真判読を組み合わせて圃場単位で抽出しています。

技術移転部 移転推進室広報プランナー 遠藤和子

(関連URL)

http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/4th_laboratory/nire/2016/nire16_s02.html
http://www.naro.affrc.go.jp/org/nkk/jituyo/all/pdf/01-02-09.pdf

■知的財産情報

農研機構と株式会社クボタケミックスが共同出願した以下の発明が、登録されました。

興味のある方は、「特許情報プラットフォーム (J-Plat Pat) 」からご覧ください。

【特許番号】特許第6245699号
【登録日】平成29年11月24日 (2017.11.24)
【発明の名称】排水装置

技術移転部 移転推進室交流チーム長 猪井喜代隆

(関連URL)

https://www.j-platpat.inpit.go.jp/web/PU/JPB_6245699/F623A6ED2DF9B1DDAB4D48D5146464E5

4)農村工学通信より

■土の中の放射性物質の濃度の分布を現地で測る

東京電力福島第一原子力発電所の事故による土壌やため池底質の汚染状況を把握するために、土壌中の深さ別の放射性物質の分布を現地にて観測できる機器を福島県土地改良事業団体連合会及び応用地質株式会社と共同開発したものです。

技術移転部 移転推進室広報プランナー 遠藤和子

(関連URL)

http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/laboratory/nkk/2015/15_94.html
http://www.naro.affrc.go.jp/org/nkk/jituyo/all/pdf/03-01-02-04.pdf

5)見学だより

■11月最後の週、海外からの見学が続きました。

11月の最後の週、ベトナムの灌漑総局の技術者とメキシコの大学の灌漑工学科学生をという2件の海外からの見学がありました。現役技術者と学生、太平洋の西と東、灌漑工学関係者であることは同じですが対照的な来訪者でした。

また、秋が深まって以後、国内の農業者等の方々からの見学も増えてきています。

技術移転部 移転推進室交流チーム 小倉 力

(関連資料)

http://www.naro.affrc.go.jp/org/nkk/m/93/05-01.pdf

6)研究ウオッチ

■シリーズ「測る」-土壌水分を測定するセンサー-

作物の栽培に欠かせない土壌中の水分量を測るため、様々なセンサーが開発されています。適切なセンサーを使って正しく土壌水分を計測することは、畑地かんがい計画を立てる上でも重要です。

今回、野外での土壌水分を測定する時に利用するセンサーの特性や使い方について、農地基盤工学研究領域畑整備ユニットの岩田上級研究員らが詳しい説明をまとめました。

これを紹介します。

農地基盤工学研究領域 農業施設ユニット研究員 土屋遼太

(関連資料)

http://www.naro.affrc.go.jp/org/nkk/m/93/06-01.pdf

7)こんにちは農業農村

■自然豊かな農村工学研究部門 (5)

今年を振り返り、掲載ができなかった写真を掲載し今年の当研究部門の撮影で印象に残った生き物を振り返ります。

技術移転部 移転推進室 笹倉亜希子

(関連資料)

http://www.naro.affrc.go.jp/org/nkk/m/93/07-01.pdf

■ため池百選 (4) (藤枝ため池)

ため池百選とは、農業者の減少、高齢化の中で管理が難しくなりつつあるため池について、その歴史や多様な役割、保全の必要性を国民の皆様に理解いただく契機とするため、農業用の水源として秀でた特徴を有する全国のため池100地区を「ため池百選」として選定したものです。

第4回は青森県五所川原市にある「藤枝ため池」をご紹介します。藤枝ため池は、江戸元禄年間 (1688~1704年)、津軽藩主津軽信政公により、岩木川の治水事業に併せて、新田開発のかんがい用築造されました。稲作の重要な水源として300年もの間利用され、今も420haを潤しています。

(農林水産省ホームページより引用)

企画管理部 企画連携室情報専門役 浜田善幸

(関連資料)

http://www.naro.affrc.go.jp/org/nkk/m/93/07-02.pdf

8)農村の草花

■寒天を仰ぐ縁起のよい冬緑性のシダ ~フユノハナワラビ~

いよいよ年の瀬を迎えました。まだ雪に覆われていない地域では、葉をすっかり落とした雑木林の林床などに胞子葉を伸ばす不思議なシダ植物を見ることができます。この植物は株元にワラビに似た葉をつけるフユノハナワラビです。

寒い冬でも青々とした葉をつけ、子葉がまっすぐ天を仰ぐ姿は縁起の良い植物として盆栽などでも楽しまれています。花言葉は、再出発。今年いろいろな事があった方も、新しい年はきっとよい方向に向かうことでしょう。

※今年も一年間ご愛読ありがとうございました。さて、「農村の草花」は、4月までしばらく休載させていただきます。また暖かくなるころにお会いいたしましょう。それでは、みなさまよい年をお迎えください。

水利工学研究領域 水域環境ユニット上級研究員 嶺田拓也

(関連資料)

http://www.naro.affrc.go.jp/org/nkk/m/93/08-01.pdf

9)研究者の横顔

■桐 博英 (きり ひろひで)

今回は、内なる闘志を秘めた物静かなユニット長をご紹介します。彼は、前身の農工研から叩き上げの研究者で、組織の良いも悪いも知りつくし、狙った研究費は確実に獲得し、さらには科学的な見地に基づいた判断で、安易な社会的批判にも流されずに確実に研究成果を叩き出してきた人物です。農村工学研究部門が、昨今の不安定な時代を乗り越えるためには必要不可欠な人材だと考えられます。
(他己紹介: 木村延明)

(自己紹介)

http://www.naro.affrc.go.jp/org/nkk/m/93/09-01.pdf

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技術移転部 移転推進室 交流チーム