研究活動報告詳細

「中間成果発表会 適正施肥および有機質資材の利用による生産コスト削減に向けて」を開催しました

情報公開日:2018年2月13日 (火曜日)

日時

平成29月11月24日 (金曜日) 10時15分~18時00分

場所

AP東京八重洲通り11階K+L+M室
〒104-0031 東京都中央区京橋1丁目10番7号 KPP八重洲ビル

主催

国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構 中央農業研究センター

開催概要

  本発表会は標記2つのプロジェクト(H27~31年度)の中間年にあたり、これまでに得られたプロジェクト研究の成果を紹介し、残された課題と今後の展望について議論を深めることを目的として開催しました。その内容は、基調講演および課題担当者による成果発表等の講演に加え、来場者との情報交換のために展示の部を設け、パネル展示、緑肥・混合堆肥複合肥料・分析機器ほかの実物展示および実演、マニュアル・カタログ等資料配布を行いました。

  講演の部では、千葉大学大学院 園芸学研究科の犬伏教授による「これからの土壌肥沃度管理の方向 ― 土壌の健全性の維持増進のために」と題した基調講演に始まり、有機質資材関係では緑肥利用についての2題、混合堆肥複合肥料の開発について、及び有機質資材の肥効評価法についての計4題、施肥技術関係では土壌診断法の開発についての2題、土壌中可給態窒素に基づく適正施肥法の開発についての3題、及び水田におけるカリウムの適正施肥法の開発についての計6題の成果発表がありまし。展示の部は、講演終了後の1時間を割り当てたほか、受付開始直後から開演までの間や、講演の合間の休憩時間中にも展示ブースを開放し、展示物や配布物へのアクセスを確保しました。

  その結果、試験研究機関を中心に約160名に参加いただき、総合討論の場において各々のグループにおける今後の展開についての補足説明等も行われたほか、今後の研究展開に関するご意見・ご要望もいただけました。また、講演終了後も大半の聴講者が展示会に参加し、課題担当者との活発な質疑が交わされるなど、盛況な催事となりました。

主な内容

1 講 演

  • 基調講演
  • これからの土壌肥沃度管理の方向 ― 土壌の健全性の維持増進のために
    • 千葉大学大学院 園芸学研究科 犬伏 和之
  • 1) 緑肥が土壌の物理性・化学性・生物性に及ぼす効果
    • 農研機構中央農業研究センター 上級研究員 唐澤 敏彦
  • 2) 緑肥作物の利用の実際と課題
    • 雪印種苗株式会社 牧草・飼料作物研究グループリーダー 兼 千葉研究農場長 立花 正
  • 3) 家畜ふん堆肥の利用をひろげる混合堆肥複合肥料
    • 農研機構九州沖縄農業研究センター 畑土壌管理グループ長 荒川 祐介
  • 4) 有機質資材全般に適用できる窒素肥効評価法
    • 新潟県農業総合研究所畜産研究センター 専門研究員 小柳 渉
  • 5) 水田における可給態窒素簡易診断手法の開発
    • 農研機構中央農業研究センター 土壌診断グループ長 金澤 健二
  • 6) 紫外LED励起蛍光による土壌可給態窒素の小型非破壊分析装置の開発
    • 信州大学 学術研究院・農学系 教授 井上 直人
    7) 岐阜県平坦部水田における可給態窒素を考慮した適正施肥に向けた取り組み
    • 岐阜県農業技術センター 専門研究員 和田 巽
    8) 野菜畑における土壌可給態窒素の簡易判定に基づく適正施肥に向けた取り組み
    • 鹿児島県農業開発総合センター 研究専門員 上薗 一郎
    9) 夏秋トマト施設栽培における可給態窒素レベルに応じた適正施肥法の開発
    • 岩手県農業研究センター 主査専門研究員 桐山 直盛
    10)水田におけるカリウムの供給と収支を踏まえた適正施用指針の検討
    • 農研機構中央農業研究センター 上級研究員 久保寺 秀夫