プレスリリース
(お知らせ) 「害虫忌避剤プロヒドロジャスモンを用いたアザミウマ防除技術標準作業手順書」を公開

情報公開日:2025年4月 8日 (火曜日)

ポイント

  • 農研機構は、「害虫忌避剤プロヒドロジャスモンを用いたアザミウマ防除技術標準作業手順書」を本日ウェブサイトで公開しました。
  • 本手順書では、難防除害虫アザミウマ類を対象として、害虫忌避剤プロヒドロジャスモンを用いた防除技術の作業手順を分かりやすく解説しています。

概要

農研機構は、「害虫忌避剤プロヒドロジャスモンを用いたアザミウマ防除技術標準作業手順書」を2025年4月8日に公開しました。

アザミウマ類は多くの化学合成殺虫剤に対する感受性が低下している難防除害虫であり、生産現場からは新たな防除技術の開発が強く求められています。

一部の植物は、病気や害虫による食害など外的ストレスにさらされたときのみに生体防御反応を活性化させる誘導抵抗性を持ちます。近年、その誘導抵抗性を病害虫防除に利用するための研究が活発に進められており、植物ホルモン類縁体のプロヒドロジャスモン(以下、PDJ)を処理した植物においても、害虫類に対する抵抗性が強化されることが明らかになっています。

本手順書にしたがって実施したトマトほ場での試験では、PDJ処理株におけるアザミウマ類の密度や食害を慣行レベルまで低減できることが確認されています。PDJの忌避作用を利用した本剤は、殺虫ではなく忌避のため、害虫の薬剤抵抗性が発達しにくく、環境や人にやさしい防除資材です。本剤を既存の化学合成殺虫剤と置き換えることにより、「みどりの食料システム戦略」の推進に貢献します。

本手順書では、アザミウマ類の防除を必要としている全国のトマト・ミニトマトの生産者や普及機関に向けて、技術の概要や特徴、作業手順、検証事例などを紹介し、本防除技術を導入する際のノウハウを分かりやすく解説しています。

【利用方法】

  • 以下のURLより、標準作業手順書のサンプル版(PDF)をどなたでもご覧いただけます。
  • 標準作業手順書全編のご利用には利用者登録(無料)またはログインが必要です。
    以下のURLより、「ログイン/利用者登録」のページにアクセスすることができます。

    「害虫忌避剤プロヒドロジャスモンを用いたアザミウマ防除技術標準作業手順書」

問い合わせ先
研究推進責任者 :
農研機構植物防疫研究部門 所長大藤 泰雄
研究担当者 :
同 中日本農業研究センター みどり戦略・スマート農業コーディネーター櫻井 民人
同 植物防疫研究部門 作物病害虫防除研究領域 上級研究員冨高 保弘
広報担当者 :
同 植物防疫研究部門 研究推進部 渉外チーム長久保田 健嗣