農村工学研究所

農村工学研究所メールマガジン

メールマガジン第71号(2016年2月号)

目 次

 1)トピックス
■「想定外の積雪に備える-寡雪地域の温室も雪への備えが必要です!-」をプレスリリース
■農林水産省大臣官房岩本審議官が研究成果等を視察

2)イベント情報
■SAT テクノロジー・ショーケース2016(報告)

3)最新の農工研ニュースより
■農地基盤中の塩分濃度をリアルタイムで監視する簡易技術

4)農工研の動き
■平成27年度 研究行政技術協議会の開催
■カナダアルバータ大学のMiles Dyck博士を招き「農地基盤工学研究領域セミナー」を開催
■第10回日韓農業農村振興実務者ワークショップに参加
■平成28年度農村工学技術研修の実施方針

5)農村の生き物たち
■農村のカエル ~シュレーゲルアオガエル~

5)研究者の横顔
■川上 昭彦(かわかみ あきひこ)

1)トピックス

■「想定外の積雪に備える-寡雪地域の温室も雪への備えが必要です!-」をプレスリリース

2014年2月の大雪は、関東甲信地方に温室の倒壊などの甚大な被害をもたらしました。今後、温暖化が進行すると降雪量の変動が拡大し、極端な大雪が発生する可能性が高まると予想され、降雪が少ない地域(寡雪地域)でも雪に備えることへの重要性が増しています。

本成果では、寡雪地域の温室において、想定外の積雪による倒壊等の被害を防ぐことができる、低コストで比較的簡単な雪害対策技術を整理した簡易手引きを作成しました。温室を連棟形式や暖房機の有無によって4パターンに分類し、各パターンに適した対策技術を例示しています。簡易手引きは、農研機構農村工学研究所のホームページに掲載されています。詳細は、関連URLよりご覧ください。

企画管理部 業務推進室企画チーム長 竹村武士

(関連URL)
http://www.naro.affrc.go.jp/publicity_report/press/laboratory/nkk/061556.html

■農林水産省大臣官房岩本審議官が研究成果等を視察

2月16日(火)、農林水産省大臣官房岩本審議官が来所され、研究成果として「監視制御システム(SCADA)を活用して灌漑排水を自動管理するIDAS」と「水管理の遠隔・自動操作で水管理を行う給水バルブ」を、研究施設として「農村減災技術研究センター(沿岸域減災研究棟と施設減災研究棟)」を視察されました。

企画管理部 業務推進室長 渡嘉敷 勝

(関連資料)
http://www.naro.affrc.go.jp/org/nkk/m/71/01-02.pdf

2)イベント情報

■SATテクノロジー・ショーケース2016(報告)

2月4日(木)、つくばにおける異分野交流の場であるテクノロジー・ショーケースがつくば国際会議場にて開催され、今年度農工研からは、資源循環工学研究領域 水資源工学担当統括 石田上席研究員から、「地下水質を保全する二重揚水技術を開発」のテーマでポスター発表および揚水装置の展示をいたしました。

全体のメインテーマは「ようこそ! インフラ技術のショーケースへ~未来の豊かな生活を支える知恵と技術~」というタイトルで、幅広い分野の研究者、技術者、企業、行政機関の来場者に対し、説明を行いました。詳細は、以下の資料をご覧下さい。

技術移転センター 移転推進室長 野道彰一

(関連資料)
http://www.naro.affrc.go.jp/org/nkk/m/71/02-01.pdf
(関連URL)
http://www.naro.affrc.go.jp/publicity_report/press/laboratory/nkk/056963.html

3)最新の農工研ニュースより

■農地基盤中の塩分濃度をリアルタイムで監視する簡易技術

津波被災地や干拓地等の農地では、塩水浸入や下層土に滞留する塩分によるリスクにさらされています。そこで、これまで研究してきた電磁波を用いた農地土壌の養水分環境の把握手法を用いて、農地基盤中の塩分濃度をリアルタイムで監視する簡易技術を開発しました。

農地基盤工学研究領域 畑地工学担当上席研究員 宮本輝仁

(関連資料)
(1)農工研ニュース第100号(2頁目)
http://www.naro.affrc.go.jp/org/nkk/m/71/03-01-01.pdf
(2)この研究をもっと深く理解するための5つのQ&A
http://www.naro.affrc.go.jp/org/nkk/m/71/03-01-02.pdf

 4)農工研の動き

■平成27年度 研究行政技術協議会の開催

1月29日(金)に、農林水産省にて、標記の協議会が開催され、行政側から課長補佐クラスと研究側からは上席研究員クラスの実務者らを中心とする53名が一堂に会しました。

本協議会は、農工研の研究開発成果が行政施策や事業を通じて現場に効率的・効果的に受け渡されるよう、行政側の評価を受けたり、実務者どうしの意見や情報の交換を通じて積極的にPRしたりする重要な機会となっています。

今年度は協議会の閉会後、実務者レベルの連携強化に向けた試みとして、グループ勉強会が催され、テーマ毎に設けられた4グループにおいて熱心な意見交換が行われました。このような勉強会を通じ、研究・行政間の連携が強化されるものと期待されます。

企画管理部 業務推進室企画チーム長 竹村武士

(関連資料)
http://www.naro.affrc.go.jp/org/nkk/m/71/04-01.pdf

■カナダアルバータ大学のMiles Dyck博士を招き「農地基盤工学研究領域セミナー」を開催

農工研は、日本学術振興会の外国人招へい事業によりカナダアルバータ大学准教授のMiles Dyck博士を招へいし、2月18日に防災研究棟緊急防災対策室にて農地基盤工学研究領域セミナー「Agricultural Soil Management in Western Canada~西カナダ地方の農業と土壌管理~」を開催しました。

カナダの主要穀倉地帯であるプレイリー地方における厳しい自然と闘いながら現在の農業体系を確立した歴史や、同地における土壌物理研究の最前線など、興味深い話を聞くことができました。農工研職員のほか、他の研究機関の職員や大学生も参加し、予定時間を超過したにも関わらず熱心な議論が行われました。

農地基盤工学研究領域 畑地工学担当主任研究員 岩田幸良

(関連資料)
http://www.naro.affrc.go.jp/org/nkk/m/71/04-02.pdf

■第10回日韓農業農村振興実務者ワークショップに参加

日本と韓国の農業農村振興に関わる実務者の技術的な交流により双方の技術力の向上を図ることを目的に、平成18年度より毎年、ワークショップが開催されています。第10回となる今回は「最近の農業農村振興に関する施策」をテーマに日本で開催され、農工研の研究者として参加しました。農村振興に係わる行政施策や研究の現状と課題として、震災復興や災害対策、土地改良事業、農村生態系保全、農村観光について日韓双方から話題提供が行われ、相互に活発な議論が行われました。

資源循環工学研究領域 生態工学担当主任研究員 渡部恵司

(関連資料)
http://www.naro.affrc.go.jp/org/nkk/m/71/04-03.pdf

■平成28年度農村工学技術研修の実施方針

平成28年度の農村工学技術研修では、基礎技術研修(10コ-ス)、中堅技術研修(2コ-ス)、専門技術研修(10コ-ス)の実施を予定しています。基礎技術研修では、「基礎技術」と「技術力養成」コースを、これまでの年1回から年2回開催することとし、また「技術力養成」コースを3コースから4コースにコース数を増やしました(「土質力学」コースを独立)。

中堅技術研修では現場技術者としてのステップアップを目的に科目再編を行っております。他の研修コ-スについても研修生が受講しやすく、業務に即した実践的な内容とすべく研修カリキュラムの見直しや科目の充実を図っております。詳細は以下を参照下さい。

技術移転センター 技術研修課教務指導チーム主査 河田健太郎

(関連資料)
(1)平成28年度農村工学技術研修について
http://www.naro.affrc.go.jp/org/nkk/m/71/04-04-01.pdf
(2)研修内容の紹介
http://www.naro.affrc.go.jp/org/nkk/m/71/04-04-02.pdf

5)農村の生き物たち

■農村のカエル ~シュレーゲルアオガエル~

おなじみの雨蛙だけでなく、シュレーゲルアオガエルも木登りをする緑色のカエルです。いまは冬眠中ですが、あと少し暖かくなると、彼らの澄んだ鳴き声が聞こえ始めます。

資源循環工学研究領域 生態工学担当主任研究員 渡部恵司

(関連資料)
http://www.naro.affrc.go.jp/org/nkk/m/71/05-01.pdf

6)研究者の横顔

■川上 昭彦(かわかみ あきひこ)

日本は世界有数の高密度人口国であり、それは米を主食としたことで可能となりました。稲は栽培に大量の水を要する作物です。そのため、日本では古来よりため池、ダム、堰、水路の農業水利ネットワークが農地拡大、人口増大に伴い張り巡らされてきました。農業水利施設は、特に戦後の人口増大期に拡充と近代的更新が成されてきましたが、これらの施設も老朽化し、また人口も頭打ちになり、現在は施設の維持管理を如何に効率的に行うかが重要なテーマになっています。川上昭彦さんはこの分野の研究開発で活躍が期待されているホープです。

(他己紹介: 常住直人)

(自己紹介)
http://www.naro.affrc.go.jp/org/nkk/m/71/06-01.pdf

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