動物衛生研究部門

家畜における生化学病性鑑定のための臨床生化学的検査マニュアル

IV.高速液体クロマトグラフ

高速液体クロマトグラフィーとは?

移動相に液体を用いるクロマトグラフィーが液体クロマトグラフィーです。

高効率のカラムが開発されて以来、高速液体クロマトグラフィー(High Performance Liquid Chromatography:HPLC)と呼ばれて種々の分野の分析に用いられています。

熱に弱いあるいは気化しにくいためガスクロマトグラフィーで分析するのが困難であった試料もHPLCでは分析できます。

移動相の極性が固定相の極性よりも弱い場合を正相(あるいは順相)、逆の場合を逆相と呼びます。

逆相HPLCの場合、試料成分の極性が大きくなるほど早く溶出します。移動層に水を使用する等の理由もあり、医薬品関係では主に逆相が用いられます。

分離機構から、イオン交換クロマトグラフィー(単にイオンクロマトグラフィーと呼ばれることも多い)やサイズ排除クロマトグラフィー(ゲル浸透クロマトグラフィー、ゲルろ過クロマトグラフィー)と独立して呼ばれる液体クロマトグラフィーがあります。