品種詳細
ハルイブキ
小麦「ハルイブキ」は耐倒伏性・耐病性が強く、多収で、製粉性がやや優れる。製パン適性はやや高く、他品種とのブレンドにより製パン適性の向上が期待できる。また、「白神こだま酵母」の使用により、優れた製パン性を示す。秋田県で認定品種に採用。
主要特性
小麦「ハルイブキ」は、早生・多収、耐寒雪性、耐病性及び高製パン適性を育種目標に、昭和63年度 (平成元年5月) 東北農業試験場 (現 東北農業研究センター) において、晩生で耐病性が強く、高製パン性と関係のある5+10グルテニンサブユニットをもつユーゴスラビア品種「Stozher」を母とし、早生・多収で耐寒雪性が強く、製パン適性がやや優れた「東北195号」を父として人工交配を行い、以降系統育種法で選抜・固定を図ってきたものである。平成12年度の世代は雑種第12代 (F12) である。
「キタカミコムギ」に比較して、次のような特徴をもつ。
- 播性はVで、出穂期で4日、成熟期で3日程度早い。
- 稈長はやや短く、穂長は短く、穂数は同程度である。
- 耐寒雪性はやや強く、耐倒伏性は強く、穂発芽性は中でやや強い。
- 赤さび病、うどんこ病及び縞萎縮病のいずれにも強い。赤かび病は中で同程度である。
- 多収で、千粒重は大きいが、リットル重は同程度である。外観品質はやや劣る。
- 硬質小麦で、製粉性はやや優れる。粉の白さ、明るさはともにやや低い。
- 粉の蛋白含量は3~4%高く、5+10高分子量グルテニンサブユニットを持つ。 バロリメーター・バリューが高く、生地の伸張抵抗が大きく、伸張度が小さい。
- アミログラムの最高粘度は低い。
- 製パン適性はナンブコムギよりやや高く、他品種とのブレンドにより製パン適性の向上が期待できる。また、秋田県でパン酵母として開発された「白神こだま酵母」の使用により、優れた製パン性を示す。
出願番号 (出願日) |
公表日 | 登録番号 (登録日) |
育成者権の存続期間 |
---|---|---|---|
13783 (2001年8月28日) |
2002年2月13日 | 12275 (2004年11月 8日) |
20年 (満了日:2024年11月 8日) |
交配組み合わせ | 旧系統名 | ||
Stozher x 東北195号 | 東北205号 |