品種詳細
Kyushu 15
トールフェスク「Kyushu 15」は、出穂が早生品種「ナンリョウ」より1週間程度早く、低標高地の越夏性と永続性に優れる極早生品種で、放牧に利用できます。
主要な特徴
「Kyushu 15」は、越夏性で選抜された19栄養系を育種材料とし、それらに由来する母系を、出穂性、収量性、病害程度、乾物消失率により選抜して、阿蘇で多収であった3母系の種子を等量混合し、それらを隔離採種して育成した品種です。
育成地の調査では、
- 出穂は、早生品種の「ナンリョウ」より1週間程度早く、極早生に属しています。
- 年間乾物収量は、低標高地では早生の多収品種である「ナンリョウ」と同程度か、より高い収量です。
- 最終刈り後の基底被度は「ナンリョウ」よりやや高い数値です。低標高地における秋の最終刈り乾物収量は「ナンリョウ」より高く、低標高地における越夏性に優れています。
- 利用3年目の最終刈り後の基底被度は「ナンリョウ」よりやや高い数値です。低標高地における利用3年目の最終刈り乾物収量は、「ナンリョウ」と同程度か、より高く、低標高地における永続性に優れています。
- 各種の病害程度は「ナンリョウ」よりやや低いものです。
- 放牧条件下での利用草量は「ナンリョウ」よりやや低いが、草量の利用率、草丈利用率は平均で「ナンリョウ」よりやや高い傾向があります。季節生産性や草丈利用率が「ナンリョウ」より安定しており、放牧適性は「ナンリョウ」よりやや優れています。
- 粗タンパク質含有率と推定TDN含量は、「ナンリョウ」と同程度です。
活用面・留意点
- 西日本を中心に、寒地型牧草の夏枯れや永続性が問題となる地域で利用できます。特に、低標高地では肉用牛繁殖経営における放牧利用の中で、バヒアグラス草地と組み合わせた利用が見込まれます。また、出穂が10日程度遅い中生品種「ウシブエ」との併用も見込まれます。
- 各地域における慣行の栽培管理で利用できますが、西日本の低標高地での利用においては、越夏性を十分に発揮させるため、7月中旬から9月上旬の入牧や刈取りを避けることを基本にします。
- 佐賀県では、「佐賀県環境の保全と創造に関する条例(佐賀県条例第48号、2002年)」で、トールフェスクを移入規制種として指定しており、通常の栽培は禁止されています。
出願番号 (出願日) |
公表日 | 登録番号 (登録日) |
育成者権の存続期間 |
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30133 (2015年4月17日) |
2015年9月10日 | 27616 (2019年11月20日) |
25年 (満了日:2044年11月20日) |
交配組み合わせ | 旧系統名 | ||