品種詳細
リッキー
「リッキー」は、キタネグサレセンチュウの密度低減効果を持ち、出穂が既存品種より早く、北海道においては8月播種で安定して多収です。九州では、9月上旬播種で年内に出穂し、夏播き用極早生品種と同程度の乾物収量です。
主要な特徴
「リッキー」は、strigosaエンバク導入品種から九州の夏播き栽培において年内に出穂する個体に由来する複数の年内出穂性系統を選抜し、北海道の緑肥利用における多収性やキタネグサレセンチュウ密度低減効果を育種目標に、九州沖縄農業研究センターとホクレン農業協同組合連合会の共同研究により育成した品種です。
育成過程の試験結果では、
- 北海道での8月下旬播種では出穂に至りませんが、8月前半播種では「サイアー」より出穂程度が高い品種です。
- 北海道での乾物収量は、「サイアー」と同程度か、より高い品種です。
- キタネグサレセンチュウ密度低下率は「サイアー」と同程度で、無播種と比較して大きく低下しており、「リッキー」の栽培はキタネグサレセンチュウ密度を積極的に低減させる効果があります。
- 熊本で9月上旬に播種した場合、年内に出穂し、出穂程度は「サイアー」より大きく、夏播き用極早生品種の「ウエスト」と同程度です。
- 熊本での乾物収量は、「サイアー」より高く、「ウエスト」と同程度であり、耐倒伏性と耐病性は、「サイアー」と同程度です。推定TDN含量は「ウエスト」よりやや高く、「サイアー」と同程度で、粗タンパク質含量は「ウエスト」と同程度で、「サイアー」より低い品種です。
活用面・留意点
- 各地域における、それぞれの用途に応じた慣行の栽培管理で利用できます。
- 近年、strigosaエンバクでセイヨウチャヒキいもち病、褐斑細菌病といった新しい病害が報告されていますので、地域の指導情報に留意してください。
出願番号 (出願日) |
公表日 | 登録番号 (登録日) |
育成者権の存続期間 |
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30257 (2015年6月11日) |
2015年11月27日 | 27870 (2020年3月30日) |
25年 (満了日:2045年3月30日) |
交配組み合わせ | 旧系統名 | ||