品種詳細
テララ
「テララ」は、キタネグサレセンチュウの密度を低減できることに加えてサツマイモネコブセンチュウの増殖を抑制できるストリゴサエンバク品種です。既存のアウェナストリゴサ種の品種よりも早生で、夏播き栽培における出穂程度は「リッキー」と同程度です。各地域において飼料および緑肥等のそれぞれの用途に応じた慣行の栽培管理で利用できます。
主要特性
1. 「テララ」は、ストリゴサエンバク導入品種から九州の夏播き栽培において年内に出穂する個体に由来し、年内出穂とサツマイモネコブセンチュウの増殖抑制について選抜を進めた品種である。
2. サツマイモネコブセンチュウ接種検定において、既存のストリゴサエンバク品種の根には多くの卵のうが形成されるが、「テララ」はサツマイモネコブセンチュウの卵のう形成に対して抑制効果を示す。線虫抑制性を持つエンバク品種「スナイパー」と同程度の卵のう数であり、圃場試験においても同様の抑制効果を示す。
3. キタネグサレセンチュウ汚染圃場を用いた栽培試験において、無播種と比較して「テララ」の栽培は土壌中のキタネグサレセンチュウ密度を大きく低下させる。キタネグサレセンチュウ密度低下率はストリゴサエンバク品種「リッキー」や「サイアー」と同程度で、「テララ」の栽培はキタネグサレセンチュウ密度を積極的に低減させる効果がある。
4. 熊本の9月上旬播種において「テララ」は年内に出穂する。出穂程度は「リッキー」と同程度、「サイアー」より多く、夏播き用極早生エンバク品種の「ウエスト」と同程度である。
5. 熊本での「テララ」の乾物収量は「リッキー」と同程度で、「ウエスト」よりやや低く、耐倒伏性、耐病性、刈取り時の飼料成分は「リッキー」と同程度である。
成果の活用面・留意点
1. 各地域において飼料や緑肥等の用途に応じた慣行の栽培管理で利用できる。
2. 近年、ストリゴサエンバクでセイヨウチャヒキいもち病、褐斑細菌病といった新しい病害が報告されているので、地域の指導情報に留意する。
出願番号 (出願日) |
公表日 | 登録番号 (登録日) |
育成者権の存続期間 |
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32206 (2017年6月12日) |
2017年9月25日 | 27871 (2020年3月30日) |
25年 (満了日:2045年3月30日) |
交配組み合わせ | 旧系統名 | ||