農村工学研究部門

農村工学研究部門メールマガジン

メールマガジン第67号(2015年10月号)

目 次

1)トピックス
■「土壌中の深さ別の放射線を測定する装置を開発-深さ別の放射能分布の推定が短時間で可能!-」をプレスリリース
■「沿岸地域の広域地下水調査のための高能率電磁探査システムを開発-津波災害に備えた地下水の水源調査などに活用-」をプレスリリース
■農林水産技術会議事務局の河内研究開発官が研究成果等を視察
■大学生の皆さんが相次いで見学に見えました

2)イベント情報
■「水路トンネル無人点検ロボット」を北陸技術交流テクノフェア2015に出展
■全国土地改良大会においてFOEAS等の技術成果を出展しました
■「実用新技術講習会及び技術相談会」を開催(報告)
■第13回印旛沼流域環境・体験フェアに出展しました
■「農村研究フォーラム2015-農村創生に貢献する産学官連携の推進-」を開催します(第二報)
■巨大浸水災害に対する面的防御のあり方に関する研究会(予報)

3)農工研の動き
■平成27年度農村振興局と農工研との幹部意見交換会の開催
■平成27年度農業用ダム技術管理検討会を開催
■「収穫祭」を実施

4)ズームイン
■サボテン通信10月号(アリゾナからの便り)

5)研究ウォッチ
■Google Earthを用いた荒廃農地の可視化手法

6)農村の草花
■紫蘇という名前がついていても食べられない晩秋の野辺の可愛らしい花 ~ヒメジソ~

7)研究者の横顔
■白旗 克志(しらはた かつし)

1)トピックス

■「土壌中の深さ別の放射線を測定する装置を開発-深さ別の放射能分布の推定が短時間で可能!-」をプレスリリース

10月8日に、農工研の最新研究成果である「土壌中の深さ別の放射線を測定する装置を開発-深さ別の放射能分布の推定が短時間で可能!-」をプレスリリースしました。

本成果は、福島県土地改良事業団体連合会及び応用地質株式会社と共同で、土壌中の深さ別の放射能分布を現地において短時間で推定できる装置を開発したものです。

土壌の汚染状態を、深さ方向を含めて把握できるため、除染範囲の効率的な特定や、適切な除染対策手法の選定につながります。

(関連URL)
http://www.naro.affrc.go.jp/publicity_report/press/laboratory/nkk/059924.html

■「沿岸地域の広域地下水調査のための高能率電磁探査システムを開発-津波災害に備えた地下水の水源調査などに活用-」をプレスリリース

10月14日に、農工研の最新研究成果である「沿岸地域の広域地下水調査のための高能率電磁探査システムを開発-津波災害に備えた地下水の水源調査などに活用-」をプレスリリースしました。

本成果は、(株)日本地下探査と共同で、短時間で広域的な地下水調査を可能にする電磁探査システムを開発し、利用マニュアルをまとめたものです。

津波や高潮などにより海水が地下に浸入した場合の営農再開や除塩のための代替水源の確保や、深層地下水の水源調査を短時間かつ低コストで行うことができます。

(関連URL)
http://www.naro.affrc.go.jp/publicity_report/press/laboratory/nkk/059943.html

■農林水産技術会議事務局の河内研究開発官が研究成果等を視察

10月14日に農林水産技術会議事務局の河内研究開発官他3名が農工研に来所され、研究成果等を視察されました。

企画管理部 業務推進室長 渡嘉敷 勝

(関連資料)
http://www.naro.affrc.go.jp/org/nkk/m/67/01-03.pdf

■大学生の皆さんが相次いで見学に見えました

9月の中旬から下旬にかけて、首都圏にある東京農業大学、東京農工大学、筑波大学の3大学から学部の学生さんが農工研の見学に見えました。

企画管理部 情報広報課 小倉 力

(関連資料)
http://www.naro.affrc.go.jp/org/nkk/m/67/01-04.pdf

2)イベント情報

■「水路トンネル無人点検ロボット」を北陸技術交流テクノフェア2015に出展

10月8~9日に福井県産業会館において開催された「北陸技術交流テクノフェア2015」に、「水路トンネル無人点検ロボット」を展示するとともに多くの方々の前でデモを行いました。

施設工学研究領域 施設機能担当主任研究員 森 充広

(関連資料)
http://www.naro.affrc.go.jp/org/nkk/m/67/02-01.pdf

■全国土地改良大会においてFOEAS等の技術成果を出展しました

10月15日、青森市において第38回全国土地改良大会が開催され、各都道府県から農業農村整備に携わる関係者約3千5百名が参加し盛大に執り行われました。

農工研では、土地改良関係者の関心が高い水田畑作の振興に対応する「水田の新しい水管理を支える新技術」と題したコーナーを設置し、農工研が開発したFOEASやカットドレーン等の排水強化のための現場技術等についてパネルや模型を展示するとともに、開発担当の研究者自らが来場者への説明を行いました。

技術移転センター教授 宮森俊光

(関連資料)
http://www.naro.affrc.go.jp/org/nkk/m/67/02-02.pdf

■「実用新技術講習会及び技術相談会」を開催(報告)

10月7日(水)、農工研は、東京大学弥生講堂一条ホールにおいて、「実用新技術講習会及び技術相談会」(後援:農林水産省)を開催しました。

当日は、現場の第一線で農業農村整備に携わる国や県等の技術系職員や建設会社、コンサルタントなど民間企業の関係技術者から約200名の方々にご参加頂きました。略儀ながら、メルマガ上において、参加頂いた皆様方にお礼を申し上げます。

プログラムは、(1)基調報告「新たな農林水産研究基本計画と農村工学研究所の役割」(農工研 宮森教授)、(2)技術報告「戦略的イノベーション創造プログラムにおける新たな技術開発」(農工研 中嶋上席研究員)、(3)当研究所の研究成果のうち、行政現場等で実用に供し得ることが見込まれる技術20件のテーマについて、各担当の研究者が、来場者と対話形式で紹介するポスターセッションによる技術講習、(4)現場で抱えている課題について個別の技術相談などを実施しました。

技術移転センター 移転推進室長 野道彰一

(関連資料)
http://www.naro.affrc.go.jp/org/nkk/m/67/02-03.pdf

■第13回印旛沼流域環境・体験フェアに出展しました

10月24~25日千葉県佐倉市において、印旛沼の水質保全に関する活動を実践している産学官の70団体が参加し「第13回印旛沼流域環境・体験フェア」が開催され、約5,300人の地域住民の方々が訪れました。

このフェアに農工研も参加し、印旛沼で実施中の水質の遠隔モニタリングに関するブース出展を行い、印旛沼の健全な水循環について意見交換するなど市民との交流を深めました。

水利工学研究領域 水環境担当主任研究員 人見忠良

(関連資料)
http://www.naro.affrc.go.jp/org/nkk/m/67/02-04.pdf

■農村研究フォーラム2015 -農村創生に貢献する産学官連携の推進-」を開催します(第二報)

農業の競争力強化、災害の複雑多様化に対応した農村地域の強靱化、地域資源の保全と農村社会の活性化などが大きな課題となっています。農村創生に技術研究が貢献していくには、産学官が既存の枠組みを超えて経験を共有し、知恵を出し合い、目標を明確にしながら協力して取組むことで、研究成果の最大化を図ることが必要となります。

本フォーラムでは、物質・材料研究機構における取組を紹介し、産学官連携の報告等を通じて、新たな産学官連携による農村創生の方向性を明らかにします。11月13日、東京大学弥生講堂一条ホールにて開催致します。参加費は無料で、技術者継続教育機構認定プログラムに申請中です。奮ってご参加下さるよう案内申し上げます。

企画管理部 企画チーム長 竹村武士

(申込み・問合せ先)
企画管理部 業務推進室運営チーム 川崎義徳
TEL:029-838-7678 FAX:029-838-7609
E-mail:nkk-unei[@]ml.affrc.go.jp
※メールを送信する際は[@]の[ ]をとってください。

開催案内・交通案内、参加申込書等はこちらへ
http://www.naro.affrc.go.jp/event/list/2015/10/059935.html

■巨大浸水災害に対する面的防御のあり方に関する研究会(予報)

2011年の東北地方太平洋沖地震の教訓から、巨大津波に対する沿岸域の防災は、海岸線での防御から、ソフト・ハード対策を融合させて面的に減災を図る方向へと変化してきており、東日本大震災から4年半が経過するなか、様々な分野で研究が進められてきました。

そして、現在、南海トラフ巨大津波への備えが求められるなか、それぞれの研究成果を事業へ反映させていく段階になりつつあります。

そこで、各分野で進められている浸水災害の減災研究の成果を共有するとともに、沿岸部の面的防御に向けた研究方向を討議することになりました。本研究会は、12月14日(月)の午後、農工研の防災研究棟にて開催します。

問い合わせ先
水利工学研究領域 沿岸域水理担当 桐 博英
TEL:029-838-7567
E-mail:engan[@]ml.affrc.go.jp
※メールを送信する際は[@]の[ ]をとってください。

3)農工研の動き

■平成27年度 農村振興局と農工研との幹部意見交換会の開催

9月29日に、農林水産省(霞ヶ関)講堂において、農村振興局と農工研の幹部による意見交換会が開催されました。本会議は、その名が示す通り、両組織の幹部らが集い、行政施策が求める技術と研究開発の方向が整合するように、双方の取り組みを確認し、忌憚のない意見を交換する場となっています。

農村振興局からは設計課長はじめ各課長等18名、また、農工研からは企画管理部長、技術移転センター長、各研究領域長等15名、農林水産技術会議事務局から3名、総勢36名が出席する規模の大きな会議となりました。

会議では、連携の考え方や技術開発の取組状況、新たな技術開発テーマ等を議事として活発な意見交換が行われました。

企画管理部 業務推進室企画チーム長 竹村武士

■平成27年度農業用ダム技術管理検討会を開催

10月21~22日に農工研において、平成27年度農業用ダム技術管理検討会が本省農村振興局設計課主催で開催され、約65名が参加しました。検討会参加者は、各地方農政局等の国営ダム建設、保全管理に関係する担当課長等の方々です。

本検討会では、農業用ダムの設計、施工及び管理等に係る一連の作業を効率的かつ適切に進めることを主眼とし、農工研のダム関係研究者も含む参加者による討論を通じ、設計・施工技術、並びに保全管理技術の一層の向上を図ることができました。

また、農工研の実験施設として、去る7月2日に完成した農村減災技術研究センターの「施設減災研究棟」などを紹介しました。

技術移転センター 移転推進室長 野道彰一

(関連資料)
http://www.naro.affrc.go.jp/org/nkk/m/67/03-02.pdf

■「収穫祭」を実施

10月13日(火)、所内の試験水田ほ場で「収穫祭」を実施しました。当日は清々しい秋晴れに恵まれた中、開会挨拶と手順説明に続いて、所長を筆頭に賑やかに、そして今年の収穫への感謝の気持ちを込めながら手刈りで稲刈りを行いました。当日の様子は下記リンクからご覧ください。

企画管理部 業務推進室主任研究員 浜田康治

(関連資料)
http://www.naro.affrc.go.jp/org/nkk/m/67/03-03.pdf

4)ズームイン

■サボテン通信10月号(アリゾナからの便り)

昨年10月から1年間アリゾナ大学水文水資源学部に滞在して共同研究を行い、先日帰国しました。今回は、最終号としてこの1年を振り返り、アリゾナでの10大ニュースをまとめてみました。

水利工学研究領域 水文水利担当主任研究員 吉田武郎

(サボテン通信10月号)
http://www.naro.affrc.go.jp/org/nkk/m/67/04-01.pdf

5)研究ウォッチ

■Google Earthを用いた荒廃農地の可視化手法

荒廃農地の発生・解消状況に関する調査(農林水産省農村振興局)が市町村と農業委員会によって毎年実施されています。

この調査で把握された荒廃農地をGoogle Earthを用いて可視化する手法を開発し、そのマニュアル(ArcGISを用いた作業手順等)を作成しました。

Google Earthは、(1)無料かつ操作が容易、(2)場所によっては撮影時期の新しい航空写真画像が表示可能、(3)過去の画像も表示可能、(4)ストリートビュー機能で現地写真が表示可能です。荒廃農地の現況把握や情報共有のツールとして活用すれば、荒廃農地の再生利用の推進に役立ちます。

農村基盤研究領域 資源情報担当上席研究員 福本昌人

(関連資料)
http://www.naro.affrc.go.jp/org/nkk/m/67/05-01.pdf
(関連URL)
http://www.naro.affrc.go.jp/nkk/introduction/chart/04/index.html

6)農村の草花

■紫蘇(しそ)という名前がついていても食べられない晩秋の野辺の可愛らしい花 ~ヒメジソ~

晩秋の苅田を歩くと、アゼに白色もしくは薄紅色をした小さな花をまばらにつけた小型の植物を見ることができます。今回紹介するヒメジソは紫蘇の仲間ですが、果たして紫蘇のように食材として利用することはできるのでしょうか。

農村基盤研究領域 資源評価担当主任研究員 嶺田拓也

(関連資料)
http://www.naro.affrc.go.jp/org/nkk/m/67/06-01.pdf

7)研究者の横顔

■白旗 克志(しらはた かつし)

白旗さんとのお付き合いは、山形の米沢の地下水調査の現場でお会いしてからです。常に冷静沈着で論理的に物事を進める姿勢に前々から感銘を受けていました。農工研で一緒になり、大変心強く思っております。

農業において地下水の適切な利用と保全に関する研究は極めて重要なテーマであり、白旗さんは農水省での地質官としての経験も活かしながら大きく活躍されております。

(他己紹介:黒田清一郎)

(自己紹介)
http://www.naro.affrc.go.jp/org/nkk/m/67/07-01.pdf

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