
長期連用試験水田。
1968年から継続しています。
水田環境グループは水田における土壌管理と病害防除の研究を担当するグループです。現在は主に水田の地力・土壌養分状態の把握や適正管理、新しい栄養診断技術を通じた水稲の安定多収栽培、土壌水分や通気性の把握や改善による大豆の安定多収栽培を目指した研究を行っています。
水田輪作で安定生産を続けていくためには、まず地力を適切なレベルで維持管理することが重要です。そのために、最近開発された簡易土壌診断技術を用いて農家圃場の地力を評価し、堆肥施用により適切なレベルの地力を維持する実証研究に取り組んでいます。また、45年以上続けている長期連用試験の蓄積データを活用し、温暖化が進む中でも地力を保ち、温暖化に適応できる肥培管理技術の研究を進めています。
水田で飼料米を生産し、その米を食べた豚の排泄物を堆肥化して水田に還元する耕畜連携の研究では、家畜排泄物を活用した適切な土壌管理技術の開発に取り組んでいます。近年、経営規模や圃場面積の拡大が進んでいることから、簡単に水稲の栄養状態が診断できる技術が必要となっています。そのために、水稲の簡易な栄養診断技術を開発し、速やかに適切な追肥判断ができるよう研究を進めています。
大豆については、根を深部に誘導する播種技術の開発を進めています。開花期以降の乾燥ストレスが緩和されるので、安定多収が期待できます。また、気象や土壌情報に基づき、大豆の乾燥ストレスをリアルタイムに診断し、Webを通じてその情報を発信する研究に取り組んでいます。さらに、転換畑で重要な土壌の通気性を簡単に測定するための研究も行なっています。