東北農業研究センター

概要

東北農業研究センターの役割

東北地域は広大な水田を利用した米生産や冷涼な気候を活かした野菜生産が盛んな地域です。しかし、農業従事者の急速な減少や経営の大規模化、米消費の低迷、輸入農産物の増加、気候変動など、東北農業を取り巻く環境は大きく変化してきました。また、東日本大震災の被災地の復興はこの間に大きく進展した一方で、一部地域では未だ営農再開に遅れが生じています。

こうした課題を解決するために、東北農業研究センターは第5期中長期計画 (2021~2025年度) のもと、高収益な水田輪作システムの構築、中山間の合筆水田における生産安定技術の開発、周年供給のためのシームレス野菜安定生産技術の開発、原発事故被災地での営農再開促進などに取り組んでいます。

課題解決にあたっては、東北地域における農業試験研究の中核機関として、農研機構内部はもとより東北各県の公設試験研究機関、大学等との連携を強化し研究開発を効率的に進めています。また、技術適用研究チームを中心として、東北農政局や各普及組織のほか、生産者、実需者、消費者等との連携強化を図りつつ、農研機構の成果を広く普及させる活動を行っています。

東北農業研究センターは、これらの取り組みにより東北農業の活性化を通じた地域社会の発展や安全で安心な食料の供給に貢献していくことを大きな役割としています。

沿革

東北地域における国立の農業関係試験研究機関は、1893 (明治26) 年に農商務省農事試験場宮城支場(のちに東奥支場に改称、宮城県仙台市)、1896 (明治29) 年に同 陸羽支場 (秋田県大仙市) が設置されたことに始まります。その後幾度かの組織再編を経て、1950 (昭和25) 年には、農事試験場東北支場 (秋田県大仙市) 、同 三本木原営農支場 (青森県三沢市) 、園芸試験場東北支場 (青森県藤崎町) 、開拓研究所東北支場 (岩手県金ヶ崎町) 、農事試験場東北支場刈和野試験地 (秋田県大仙市) 、同 東北支場盛岡試験地、同 三本木原営農支場厨川試験地 (いずれも岩手県盛岡市) の統合により、岩手種畜牧場厨川分厩跡に農林省東北農業試験場 (岩手県盛岡市) が発足しました。これが東北農業研究センターの前身です。

東北農業試験場では発足後も様々な組織再編が続きましたが、2001 (平成13) 年には、各地にあった国立の農業関係験研究機関が統合・再編されて独立行政法人農業技術研究機構に移行し、農業試験場は機構内の地域農業研究センターへと改組することとなりました。その結果、東北農業試験場と野菜・茶業試験場盛岡支場の業務を継承する地域農業研究センターとして、東北農業研究センターが設置されるに至っています。

  • 1950(昭和25)年 「農林省東北農業試験場」が発足
  • 1983(昭和58)年  蚕糸試験場東北支所を編入
  • 1988(昭和63)年  食品総合研究所利用部園芸素材研究室を統合
  • 1993(平成 5)年  農業生物資源研究所遺伝資源第二部植物栄養体保存研究チームを統合
  • 2001(平成13)年 「独立行政法人 農業技術研究機構 東北農業研究センター」に再編
  • 2003(平成15)年 「独立行政法人 農業・生物系特定産業技術研究機構 東北農業研究センター」に改編
  • 2006(平成18)年 「独立行政法人 農業・食品産業技術総合研究機構 東北農業研究センター」に改編
  • 2012(平成24)年  福島研究拠点に農業放射線研究センターを新設
  • 2015(平成27)年 「国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構 東北農業研究センター」に改編

研究の拠点

盛岡研究拠点

〒020-0198 岩手県盛岡市下厨川字赤平4
Tel. 019-643-3433 (代表)

大仙研究拠点

〒 014-0102 秋田県大仙市四ツ屋字下古道3
Tel. 0187-66-1221 (代表)
刈和野地区
〒 019-2112 秋田県大仙市刈和野字上ノ台297

福島研究拠点 (農業放射線研究センター)

〒960-2156 福島県福島市荒井字原宿南50
Tel. 024-593-5151 (代表)

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