東北地域は広大な水田を利用した米生産や冷涼な気候を活かした野菜生産が盛んな地域です。しかし農業従事者の急速な減少、経営の大規模化、米消費の低迷、輸入農産物の増加、気候変動など、東北農業を取り巻く環境は大きく変化しています。また福島原発被災地の復興はこの10年で大きく進展しましたが、一部地域では営農再開が遅れ、被災前の状況に戻るまでには至っていません。
私たち東北農業研究センターはこうした東北農業の課題解決のために、令和3 年4月から始まる第5期中長期計画では、高収益な水田輪作システムの構築、中山間の合筆水田における生産安定技術の開発、周年供給のための野菜安定生産技術の開発、原発被災地での営農再開促進などに取り組むこととしています。
またこれまでと同様に東北地域における農業試験研究の中核機関として、東北各県の公立試験研究機関、大学、実需者等と連携して効率的な研究開発を進めます。さらに開発した研究成果を広く普及させることを目指し、東北農政局、東北各県、普及組織等に加え、地域の先進的な生産者、実需者、消費者等との連携を強化します。