作物研究所

麦栽培マニュアル

シンジュボシ

主要特性

  • 精麦白度、炊飯白度が高い。
  • ポリフェノール含量が低く、炊飯後の褐変が少ない。
  • ミノリムギより2~3日多早い早生である。
  • 粒が大きく、外観品質が優れる。

シンジュボシ

写真右下:シンジュボシ(左)、べんけいむぎ(中)、ミノリムギ(右)

作業工程

播種適期は10月中旬までに

早播は根雪前に過繁茂になり雪腐病の発生が多く、晩播は寒雪害の発生が多くなり、いずれも低収、低品質。

播種期

播種量は9kg/10aを目安に

極端な薄播は出芽苗立ちが不安定で圧播は過繁茂となり、収量・品質が不安定。

播種量

基肥料は窒素成分量で6kg/10a以上が必要 

 穂数 収量

穂数を確保し、多収化を図るため、基肥は窒素成分量で6kg/10a以上が必要。

6kg/10a以下では生育量が不足し、収量・品質が低下する。

基肥量

冬期および融雪後に踏圧処理

耐寒雪性、耐凍上性の向上と茎数の増加による多収化を図るため、12月中下旬と1月下旬の2時期と融雪後にそれぞれ踏圧処理を行う。

踏圧処理が収量に及ぼす影響

幼穂形成期と減数分裂期に窒素成分量、2kg/10aの追肥 

 穂数 収量
安定多収のために、2月中旬の幼穂形成期と3月下旬の減数分裂期の2時期に窒素成分量でそれぞれ2kg/10aの追肥を施用。

追肥時期

シンジュボシの特性(岩手県)

品種名 成熟期
(月日)
収量
(kg/10a)
耐倒伏性 赤かび病 穂発芽性 外観品質
シンジュボシ 6月27日 506 やや強 やや難 上下
ミノリムギ 6月29日 546 やや強 中中

シンジュボシの精麦・炊飯特性(岩手県)

品種名 50%搗精白度 炊飯白度
シンジュボシ 44.8 43.2
ミノリムギ 40.9 38.5

シンジュボシの栽培適地

耐寒雪性がやや強いため、寒冷地である東北・北陸地域の根雪日数80日以下の平坦地に適応する。
特に、南東北の宮城県に適応している。栽培上の注意として、多肥栽培では倒伏やうどんこ病の発生が多くなり、硬質粒の発生が多くなるので避ける。

シンジュボシの栽培適地

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