作物研究所

麦栽培マニュアル

マンテンボシ

主要特性

  • 稈が強く倒れにくい。
  • 整粒歩合が高く、屑麦が少ない。
  • 粒揃が優れる。
  • 精麦品質が優れる。

マンテンボシ

写真右下:イチバンボシ(左)、マンテンボシ(右)。

作業工程

播種適期は11月15~25日

早播きでは千粒重が低下し、屑麦がやや多くなる。遅播きでは穂数が減少し収量が低下する。

上麦収量および千粒重の関係

適性播種量はドリル播きで8kg/10a、全面全層播きで10~15kg/10a

播種量が少ないと小粒化し屑麦が多発。
播種量が少ないと低収。

播種量

高品質多収の施肥管理は基肥+中間追肥(1月下旬)+穂肥体系

1:基肥+穂肥
2:基肥+中間追肥+穂肥
3:基肥(多)+穂肥
4:基肥(多)+中間追肥+穂肥
施肥量(Nkg/10a)は基肥6kg、基肥(多)9kg、中間追肥と穂肥は3kg
施肥量:1<2=3<4
中間追肥の施用は穂数を増加させ多収。多肥でも倒伏に強いが、品質を悪化。

施肥法(施肥法と穂数、収量および品質の関係)

適期収穫・乾燥・調製

収穫適期は殻粒水分で25%以下、乾燥適温は40度以下、整粒調製は2.0mm以上

マンテンボシの特性(善通寺市)

品種名 出穂期 成熟期 稈長
(cm)
倒伏 収量
(kg/10a)
上麦収量
(kg/10a)
整粒歩合
(%)
千粒重
(g)
マンテンボシ 4月7日 5月20日 84 62.9 61.3 97.5 29.1
イチバンボシ 4月4日 5月19日 86 やや強 63.7 60.1 94.3 29.2

倒伏に強く、整粒歩合が高いため、上麦収量が高い。

マンテンボシの品質特性(善通寺市)

品種名 14分搗精 丸麦蛋白質 味噌色相
歩留(%) 白度
マンテンボシ 49.8 45.5 8.4 51.4
イチバンボシ 50.5 46.1 8.5 51.7

精麦特性や味噌品質は高品質のイチバンボシ並に優れる。

マンテンボシの栽培適地

成熟期および収量性からみて四国地域と瀬戸内の平坦地を栽培適地とする。越冬性の面で寒冷地には向かない。

マンテンボシの栽培適地

研究センター