主要特性
- 蛋白質含量が高く、菓子パンやフランスパンに適する。
- 農林61号より3日早く収穫が可能である。
- 倒伏や縞萎縮病に強い。
- 硝子質の大粒で、製粉歩留が高い。
写真右下:ニシノカオリ(左)、農林61号(右)
ドリル播で十分な穂数を確保
条播では穂数が不足するため低収。
ドリル播による十分な穂数が確保でき、増収。
パン用としての適正な蛋白質含量の確保
多腐植質黒ボク土では、通常の施肥法(基肥および分げつ肥と穂肥)で十分な蛋白質含量の確保が可能。
しかし、灰色低地土および淡色黒ボク土では不足。
出穂後10日の実肥による高蛋白質化
灰色低地土では、4kg/10aの窒素を実肥施用すると蛋白質含量が13%に向上。
実肥窒素1kg/10a施用による蛋白質含量の増加率は0.5%。
穂発芽の発生と登熟期間中の気象要因
気象要因 | 気温 | 降雨回数 |
---|---|---|
穂発芽程度 | -0.81** | 0.79** |
注)数字は単相関関係(福岡総農試)
適期収穫の励行
登熟後記の気温が低く、降雨が3日以上続くと穂発芽が多発。
成熟期前後の穀粒水分の推移
成熟前4日 | 成熟期 | 成熟後2日 | |
---|---|---|---|
穀粒水分 | 45% | 30~35% | 25~30% |
収穫適期は成熟後2日
成熟期の2日以後で、穀粒水分30%以下が収穫適期。
ニシノカオリの製パン適性(筑後市)
品 種 名 | 菓子パンの評点 | ||
---|---|---|---|
外観 | 内相 | 合計 | |
ニシノカオリ | 35.6 | 41.8 | 77.4 |
農林61号 | 24.9 | 27.5 | 52.4 |
ニシノカオリの栽培適地
成熟期、収量性等から判断される栽培適地は、関東以西から九州南部である。