品種詳細
JM2
「JM2」は、マルバカイドウに「M.9」を交雑して育成したリンゴ半わい性台木です。挿木繁殖が極めて容易で、わい化能力は半わい性です。耐水性は高く、半わい性台木の利用が可能なリンゴの栽培地帯全域に適しています。
主要特性
- 樹勢は中程度で、樹姿は直立と開張の中間を呈します。耐水性は高くマルバカイドウと同程度です。挿し木活着率が高く、挿し木による繁殖が極容易です。挿し木によって発生した新梢は直立し、生育良好で、1シーズンで台木として使用可能な大きさに達します。台木として用いた場合にひこばえがやや発生しますが、根部疫病、ACLSV、ASPV、斑点落葉病に抵抗性があり、黒星病には中程度の抵抗性を示します。リンゴワタムシには感受性です(表1) 。
- 本台木は半わい性台木で、樹は「M.26EMLA」を台木に用いた場合よりやや大きくなります。「ふじ」との接木親和性は良好で、台勝ちを呈します。生産効率は「M.26EMLA」よりやや劣っています(表2)。
- 本台木を用いた場合の「ふじ」の果実重と玉揃い、着色、硬度、酸度は対照台木の「M.26EMLA」とほぼ同等です。糖度は対照台木よりやや低く、なります(表3)。
樹姿
出願番号 (出願日) |
公表日 | 登録番号 (登録日) |
育成者権の存続期間 |
---|---|---|---|
9767 (1997年4月11日) |
1999年3月18日 | 8223 (2000年7月31日) |
25年 (満了日:2025年7月31日) |
交配組み合わせ | 旧系統名 | ||
マルバカイドウ「セイシ」×M.9 | 台木盛岡2号 |
栽培適地
農林認定品種
登録番号 :りんご農林台13号
登録年月日:1997年8月19日
育成担当者
副島淳一、吉田義雄、羽生田忠敬、別所英男、土屋七郎、増田哲男、小森貞男、真田哲朗、伊藤祐司、定盛昌助、樫村芳記、阿部和幸、古藤田信博
発表論文
-
-
- 果樹研究所研究報告 第16号 p.19-36 (2013) : リンゴの半わい性台木および極わい性台木の新品種'JM2','JM5'
- 育種学雑誌47別2, 265 (1997) : 挿し木繁殖可能なリンゴわい性台木の新品種'JM2'、'JM5'
- 成果情報(1996) : 半わい性のリンゴ台木新品種候補「リンゴ台木盛岡2号」
-