仕事を知る

職員インタビュー

技術系職員

種苗管理センター 生産連携部連携推進課
(2017年度 採用)

日本のばれいしょの出発点 新品種の無病化及び増殖

これが私の仕事

私が勤務する種苗管理センター北海道中央農場では、種イモのさらに元となる健全無病な原原種を、厳格な生産体系に沿って生産・検査を行い(全国各地に)配布しています。私が所属する種苗推進チームでは、原原種生産体系の出発点であるミニチューバー(10g前後の小塊茎)の生産を行っており、私はその中で新品種の無病化及び増殖業務を担当しています。
当場では、公的な試験研究機関や企業等で開発された新品種になる前の有望系統を毎年数多く導入しています。導入後は、速やかに無病化し、その後のミニチューバー生産の元になる培養苗を増殖します。具体的には、ウイルスフリー化のために茎頂培養行って培養苗を作出した後、本当に無病化できているか確認するために、抗血清検定・遺伝子診断・接種検定等の各種検査を行います。新品種導入の業務に携わることは大きな責任を感じますが、将来自分が携わった品種が種苗として流通する喜びとやりがいを持って業務に取り組んでいます。

一番うれしかったことにまつわるエピソード

「1番嬉しかったこと」というのは難しいのですが、私は植物を上手に栽培できたときに幸せを感じています。昨年は接種検定で使用する9種類の接種判定植物と無病化したばれいしょ新品種の栽培を行いました。タバコやキノア等、育てた経験のない植物を栽培するのはドキドキしましたが、うまく育てられたときはとても嬉しいですし、もともと品種そのものに興味があったので、実際に様々な新品種を栽培して特性の違いを観察するのも面白いです。また、入構時は半年という短い研修期間の間でしたが、本所(つくば)の栽培試験課に所属しており、先輩職員から植物の栽培管理方法を教わりました。そこで1番印象に残っているのは「植物は美しく」という言葉です。栽培試験では、既存品種と比較して特性の違いを証明する際に写真を通して報告書を作成するため、「美しく」植物を栽培する必要があります。研修の一環でコリウスを栽培した際には、薬剤散布したりカイガラムシを駆除したりと美しく育てるのは意外と大変でしたが、うまく育てられたときの達成感は大きいものでした。「植物は美しく」という教えを旨に、これからも頑張ります。

農研機構を選んだ理由

私がこの職場を選んだ理由は、単純ですが、幼少の頃から植物を鑑賞したり育てることが大好きだからです。種苗管理センターでは、現在私が担当する原原種生産だけでなく、新品種登録における栽培試験、種苗の品質を検査する種苗検査、新品種の権利侵害を防ぐ品種保護など、植物に携わる様々な仕事ができます。 実際に働いてみると『実験室でのピペット操作からほ場でのトラクター操作まで』本当に業務が多岐にわたっており、数多くの知識や技術を身に付けられる点も大きな魅力だと思います。大学で学んだことが随所で活かせるのも嬉しいところです。
さらに、女性が活躍できるのも私がこの職場を選んだ理由の1つです。先輩女性職員は親切で優秀な方が多く、私も先輩職員を見習い、将来少しでも組織に貢献出来るよう日々努力しています。また、もともと国の機関だったこともあり、福利厚生が充実しているため、女性にとって働きやすい職場だと思います。

学生のみなさんへのメッセージ

個人的な意見ですが、就活の柱を決めておくことが大事だと思います。私だったら1に農業系、2に女性が働きやすい職場というように、自分が何を優先したいかを決めておくと、数多くある就職先から自分にあった職場を選べると考えています。あとは、面接のときには落ち着いて明るくハキハキと話せれば大丈夫です。心配や不安なことも多いと思いますが、自信を持って頑張ってください。応援しています。