仕事を知る

職員インタビュー

研究職員

畜産研究部門 乳牛精密管理研究領域
(2015年度 採用)

乳牛の夏バテ対策。餌の組合せや
添加物で暑熱ストレスの軽減を目指す

これが私の仕事
乳牛の夏バテ対策。餌の組合せや添加物で暑熱ストレスの軽減を目指す

暑い、だるい、何も食べる気がしない・・・。ヒトだけではなく牛も夏バテになります。乳牛の場合、餌を食べなくなると乳量も減ってしまうので酪農家にとっては大問題です。私は、九州沖縄農業研究センターで、乳牛の暑熱ストレス軽減を目指した研究をしています。嗜好性の良い添加物を餌に混ぜ込んでみたり、消化の良い物を食べさせてみたり、あの手この手でなんとか夏を乗り切ってほしいという思いで研究しています。私のほうが夏バテで倒れそうな毎日ですが、私の至らない部分を現場の方がそっとサポートしてくれていたり、牛達が美味しそうに餌を食べているのを見ると、今日も頑張ろうという気持ちになります。

一番うれしかったことにまつわるエピソード
1年をかけた仕事の濃度や色の移り変わり

仕事の濃度や色の違いを感じる時、この仕事が好きだと思います。私は今、乳牛の暑熱ストレスに関する研究をしているので夏が試験本番です。夏の数か月は試験のために牛舎に何度も足を運び、試験を中心にして1日が回っていきます。そして試験が終わると秋は集めたデータの解析で実験室をバタバタ動き回ります。冬は解析したデータをまとめて研究所内や学会で発表します。そして春になると、周りの方々にアドバイスをいただきつつ次の実験計画を練ります。仕事にはそれぞれ固有のサイクルがあると思いますが、私はこの研究所での1年をかけて感じる仕事の濃度差や色の移り変わりが好きです。

農研機構を選んだ理由
自分がやってきたことを最も評価してくれた場所

私は学生時代に「内モンゴル草原の羊放牧システム」について研究していました。理系と文系を横断したような研究で、一般的な白衣を着た研究のイメージとは程遠く、泥だらけになりながら現地で羊と戦う研究生活でした。ですから就職活動中「うちではあなたのような知識や経験の研究者は求めていない。他の部門で受け直して」と言われたことも何度かあります。そんな泥だらけの私を良しとしてくれたのが農研機構でした。農研機構は、食と農に関する総合研究機関であり、様々な領域が融合した時に生まれるものを想像して研究できる場所です。私にとってここ以上の仕事場は無いと、2年経った今でも思っています。

学生のみなさんへのメッセージ

就職活動中いつも以上に大切にしてほしいこと
1.家族や友達:心の回復に必要
2.社会人との会話:社会人は皆就職活動の先輩
3.自分の気持ち:自分の気持ちに嘘はつかない