先輩インタビュー

研究職 (試験区分:農業科学)

2020年度採用

西日本農業研究センター
中山間営農研究領域生産環境・育種グループ

K.S. 弘前大学大学院農学生命科学研究科(修士)

分光分析による計測方法およびデータ解析手法の研究

土の中には微生物がたくさん存在するのですが、その中には植物に病気を引き起こす病原菌もいます。このような土壌中に存在する病原菌に対する有機栽培向けの防除技術の開発をしています。有機農業では使用できる農薬が制限されており、通常の農業に比べて病害の防除が難しいことが課題となっております。このため、より高精度な病害予測技術や有機栽培に適した資材を用いた防除技術の開発が重要視されています。そこで、圃場の土壌から病原菌を検出する技術の開発や、圃場における土壌の性質を調査することで、その圃場での病気の発病リスクを予測する技術の開発をしています。同時に、有機資材を活用した病害防除の栽培試験も行っています。これらの研究を通じて、有機栽培において効果的で持続可能な病害管理が可能となることを目指しています。

仕事をしていて、一番嬉しかったこと

学生の頃に学会発表をしたときに達成感を得たことから、研究成果を出すことの楽しさを知りました。就職してからも研究成果を出すことを目標にして日々頑張っています。ですので、働き始めてから一番うれしかったことは自分の研究を論文という形で研究成果を出せたことです。一年目の時に、カボチャの病気について研究をしていたのですが、学生時代とは異なるテーマなので、始めは不安でした。しかし、手厚い研修や上司のサポートもあり、慣れない実験にも自信をもって取り組めました。その結果、カボチャの果実に病気を引き起こすカビを新たに発見したという研究内容で論文を書くことができました。これからも研究成果を出せるように頑張っていきたいです。

農研機構を選んだ理由

生き物と食べ物が好きで農学部に進学しました。ただ、将来の目標がはっきりしていなかったため、大学では自分の進むべき道を模索していました。アルバイトとしてリンゴ収穫を行った際に農家さんが「年を取ってから農作業がつらい、楽して作業できる技術ができてほしいな。」と言われたことがきっかけで農業現場で問題になっていることを解決するような仕事をしたいと考えるようになりました。そのような中、大学での実験や学会発表等の研究活動を通じて研究者を目指す方向性が見えてきました。博士課程へ進学するか就職するかで悩む中、農研機構のインターンシップに参加しました。この時に農研機構は大学よりも、実験圃場が多いことや実際の農業現場の問題をテーマに研究している研究職員が多いことを知りました。この職場であれば現場の問題解決に直接関わる研究に携わることができると感じたので農研機構を志望しました。

現在、就職活動をしている学生にアドバイス

平凡なアドバイスですが、就職活動で一番重要なのは自己分析だと考えています。自分が本当にやりたいことが分かれば、迷わず進むことができます。やりたいことを大切にすることで、自然な流れでピッタリの職場に巡り合えると思います。また、就職活動は運や縁も大きな要素です。うまくいかないこともあるかもしれませんが落ち込みすぎないことも大事です。

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