先輩インタビュー

研究職 (試験区分:農業科学)

2022年度採用

野菜花き研究部門
露地生産システム研究領域露地野菜花き生産技術グループ

S.H. 東京農工大学大学院農学府(修士)

露地野菜の栽培研究

露地野菜の斉一性向上に関する栽培技術の研究を行っています。私が主に担当しているブロッコリーでは、可食部分である花蕾のバラつきが大きいため一斉収穫が難しく、一つ一つ大きさを見極めながら収穫しているのが現状です。農業現場ではブロッコリーの収穫機械の導入も進められていますが、収穫されるブロッコリーの生育が揃っていないと機械での一斉収穫が難しいため、斉一性向上の需要は高まっています。そこで育苗方法の検討や生育調査、顕微鏡レベルでの観察を行うことで、バラつきの原因解明を試みています。同じ状態の苗を定植したつもりでも収穫時期には花蕾の大きさにバラつきが出てきてしまうため、斉一性の難しさを実感しながらも、その原因を解明することで少しでも農家さんの負担を減らせたらなという想いで研究に取り組んでいます。

仕事をしていて、一番嬉しかったこと

現場に近い研究に取り組みたく農研機構への就職を決め、実際に現場と関わりながら仕事ができていることを実感しています。たとえば試験場と交流した際にはどの地域でも暑さへの対策が早急に求められていることを知り、耐暑性をもった育苗方法の必要性を感じました。また機械収穫の現場を見学した際には野菜の生育の斉一性の重要さを感じ、現在取り組んでいる課題への原動力につながりました。加工業者とのやり取りでは、青果用のような形・見た目よりも、大きさや加工適性が求められていることを知り、目的に応じた栽培技術の重要性を感じました。このように県の試験場、農家法人、加工業者など様々な現場の見学をさせていただいたり交流ができたことで、生産から流通までの問題点を意識しながら栽培試験に取り組むことができています。

農研機構を選んだ理由

私は生きるために欠かせない「食」の原点である「農業」について学びたく農学部に進学しました。研究を続けたいという思いから修士課程に進学しましたが、大学の研究は基礎研究に近かったため研究していくうちにもっと現場に直結するような研究をしたいと思うようになりました。大学で培った農業の知識を生かしつつ、社会実装に繋がりそうな研究ができる仕事を探していたので、農研機構の研究職はぴったりの仕事だと思いました。農研機構では農業・食品に関する幅広い研究を行っているため、どの部門に配属になっても面白そうだな、色々な分野の研究者と関われるのも楽しそうだなと思ったのも大きなポイントです。幅広い研究者のネットワークを活かすことで、農研機構だからこそ実現できることも多いのかなと感じています。

現在、就職活動をしている学生にアドバイス

就職活動しているときに、自分は研究職に向いていないんじゃないかと悩むことが何度もあり、そのたびに先輩や友だちに相談していました。就職活動中進路に悩んだ時にはそれを言葉にして誰かに伝えることで、自分の気持ちの整理がついたり道筋が見えてきたりすると思います。私も相談したことで、やっぱり研究職につきたい!という思いがはっきりし、面接でもその熱意を伝えることができました。「就職活動は一人で抱え込まない」ことが大切だと思います。

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