先輩インタビュー

一般職 (試験区分:技術支援系(農場作業等))

2020年度採用

管理本部技術支援部
中央技術支援センターつくば第6業務科
藤本・大わし技術チーム

F.S. 東京農業大学(学士)

遺伝子組換えカイコの作成補助・飼育管理

皆さんは「カイコ(蚕)」という昆虫を知っていますか?5千年前という大昔から、人の手によって飼育(養蚕)されてきたシルク(絹)を生み出す昆虫です。そんなカイコですが、近年「遺伝子組換えカイコ」を作り出す技術が農研機構(旧 蚕糸・昆虫農業技術研究所)によって開発され、絹糸を作る以外にも医療分野や化粧品への活用など様々な可能性が見出されています。そうして生み出されたカイコの飼育管理や、実際に遺伝子組換えカイコを作り出すための補助を行うことが私の主な仕事です。研究者の方々からの要望を元に多くのカイコを飼育し、必要な生育ステージまで育てます。またマイクロインジェクションという手法を使い、顕微鏡下でカイコ受精卵に遺伝子組換えを起こすDNAを注射し、遺伝子組換えカイコを作出します。

仕事をしていて、一番嬉しかったこと

自分で組換えDNAを注射したカイコに、上手く遺伝子組換えが起こった時です。カイコの遺伝子組換えを起こすには、顕微鏡下で、産卵後間もない受精卵に組換えDNAを注入する必要があります。とても細かい作業であることに加え、1mm程度の小さな卵に異物であるDNAを入れるため、注入量が多すぎたり注射した際の傷が大きいと卵に負荷がかかり、孵化率が低くなってしまいます。仮に生まれたとしても目的の形質が入っているとは限りませんし、それが次世代に受け継がれる保証もありません。そうした中で自分の担当したカイコが系統化したり、研究員の方々から成果に繋がったというお話をいただくと嬉しいですし、今後のモチベーションにも繋がります。

農研機構を選んだ理由

私は兼業農家で育ち、農業をいつも身近に感じていました。大学は農学部に進み、農業に関する様々な事を学びました。そして迎えた就職活動。自分はどんな人になりたいのかと考えた時に「日本の農業に貢献出来ること、農業に携わる仕事がしたい」という結論に至りました。農研機構は国の研究機関との事で敷居が高く感じましたが、とりあえず説明会に参加。そこで農研機構の扱う幅広い研究分野、様々な革新的な取り組み、多角的な農業支援や成果を知り、自分もこの組織の一員として頑張ってみたいと思いました。その中でも技術支援系が自分に一番合っていると思い、志望しました。技術支援系とは、研究支援業務を通じて日本の農業に貢献する、縁の下の力持ち的存在です。日本の農業を支えたい、農業に興味があるという方は農研機構という選択肢も良いと思います。

現在、就職活動をしている学生にアドバイス

仕事といっても様々な分野や働き方がありますので、自分自身の興味や適性を考え、就職活動の軸を立てましょう。そのためにも説明会などに積極的に参加して見聞を広め、自身の可能性を広げる事が大切です。実際に見聞きしないと分からない事もありますし、働き始めたら想像と違ったとなってしまっては、就職活動が無駄になってしまいます。これからの社会人生活、後悔の無いよう、今出来る事、今しか出来ない事を全力で頑張りましょう。応援しています。

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