健全無病なさとうきび原原種の生産・配布。ほ場作業からラボワークまで。

鹿児島県や沖縄県のさとうきびは、種苗管理センターが生産した健全無病な種苗(さとうきび原原種)を、県や農業者団体で種苗として増殖した後、一般生産者が製糖用として生産したものが砂糖に加工され皆さんに届きます。さとうきび原原種は、増殖に用いる種苗の最上流に位置しているんです。
私は、健全無病なさとうきび原原種の生産・配布業務の中で病害検定担当として、ほ場での異常株の抜取りやラボワークを行い、配布する種苗が無病であることを確認しています。私が検定した種苗に種苗伝染性の病害の発生がなかった時や、種苗の品質を配布先農家の皆様に評価していただいた時にやりがいを感じます。また、トラクターを使用した栽培管理など、機械作業の技術取得にも積極的に挑戦できる環境です。
知る人ぞ知る仕事ですが、産地振興及び国内における食料安定供給の一端を担う重要な仕事であると感じています。

仕事をしていて、一番嬉しかったこと

今の職場に配属されてから、どんな業務でもポジティブにとらえ、"将来のために今は技術を磨こう"と考えられるようになりました。鹿児島農場は少人数で運営しているため、若手職員も貴重な戦力です。配属当初からそのことを意識して業務に取り組むことで、技術向上に励むことができました。特に、機械作業はベテラン職員の方のアドバイスを参考に猛練習し、短期のうちに単独でできるようになりました。また収穫作業においては、たとえ単純な工程であっても効率的に作業を行う上司や先輩職員を目標にしています。昨年は台風が多い中、全員が協力して鹿児島県の要望数量を計画通り配布できたことと、その中で自分の職務を果たせたことに達成感を感じました。これからもチームの中で役立つ人間になれるよう成長していきたいです。

農研機構を選んだ理由

祖父母が農家だったことから、農業分野で人に役立つ仕事をしたい、学部卒でも学んだ知識を活かせる仕事をしたい、という2点で就活を進めていました。農研機構を知るきっかけは大学に貼ってあったポスターです。調べていくと、学士、修士問わず業務に携われること、そして種苗の配布から流通種子の検査、品種保護対策まで種苗に関わるあらゆる業務を行っており、業務の選択の幅が広いことに魅力を感じました。また将来子育てを行う際にライフワークバランスを考えながら働ける点も入構を決めた理由の1つです。
実際、現場でも専門書を読んだりラボワークを行ったりするため、大学で学んだ知識を活かすことができています。また学歴関係なく様々なバックグラウンドの方が活躍されていますし、その他の点においてもいい意味で想像通りでした。

現在、就職活動をしている学生にアドバイス

人気企業=自分に合った良い企業とは限りません。本当にやりたいことを見つけること、そして情報収集が大切だと思いました。企業説明会や現地に出向いて働いている人と話すのが一番雰囲気をつかみやすかったです。
就職活動はきつくて大変ですが、今後一生働き続けるかもしれない職場を決める大切な時期だと思います。楽しい社会人生活が待っていると思いますので、適度に休憩しながら頑張ってください。