ダイバーシティ推進 Diversity and Inclusion

仁礼 格 本部 人事部 人材育成室 専門職 農林水産省農林水産研修所での勤務を経て、農林水産省畜産試験場に入省。家畜業務第1科での研究支援業務を経て、現職。

前に進めるのは応援してくれる仲間がいるから、応援したい仲間がいるから

機構に入る前

中学のころに、漠然と「自分の作った野菜を提供できる調理師になれたらいいな、そのために農業を勉強したいな」と思って農業科の高校に入りました(今でも料理は得意じゃないですけど(笑))。高校では農業機械の授業が面白いなと思っていました。それと後輩を教えるような授業もあって、そういうのも良いなという思いもあって、前の職場の農林水産省の研修所に就職しました。そこでは研修助手として、全国から来る研修生と一緒にトラクターに乗って操作を教えたり、研修に使うトラクターの点検・整備や畑の準備をするような仕事をしていました。研修所に畜産試験場(現 農研機構畜産研究部門)から業務科の面接を受けてみないかという話があって、合格して転職することになりました。

業務科の仕事と安全性

業務科というのは、農研機構の研究に使う作物や圃場(畑や田んぼ)、家畜や動物舎を管理・供給したり、研究支援をしたりする部署です。就職した畜産試験場は家畜の研究所で、自分が配属になったのは牛を管理する業務1科(現 つくば第7業務科)でした。科のなかで牧草を育てて収穫して牛の飼料を生産する圃場班と牛舎の管理をする牛舎班があり、牛舎班のなかでさらに複数の担当牛舎に分かれている部署です。就職して最初は圃場班で仕事をすることになりました。仕事に使う作業機がガラッとかわって結構苦労したことを覚えています。牧草系のトラクターはかなり大きかったり、一台一役みたいな専門性の高い作業機が多くて苦労しましたが、そういう新しい機械の使い方を覚えて、それを使いこなせるようになるのは仕事をする上での楽しみの一つにもなって、モチベーションにもつながりました。
実は、もう10年くらい前ですが、仕事中に大きな怪我をしたことがあって、安全性というものをすごく意識するようになりました。仕事の仲間がそういう風になってほしくないので業務の中で、作業機も安全性と効率化を盛り込んで改良するようなことをするようになって、平成30年には「飼料生産に関する作業機械類の改良」という業績名で文部科学省の創意工夫功労者賞を受賞したりもできました。

研究との関わり

圃場班から牛舎班に異動になって研究との関わりが深まりました。研究者は、こういう生育時期の家畜をつかって研究したいというようなニーズを持っています。例えば、生まれたての牛や搾乳牛をすぐほしいといっても無理な話なので、何ヶ月も前から研究職と調整します。年間どのくらい種付けするかというようなことから業務科のなかでも調整して計画をたてて繁殖させます。牛舎班に異動して最初に担当したのが分娩牛舎だったんですが、牛の体調が悪いと研究もできないので、仔牛の体調管理をして、きちんと元気な状態で管理する仕事が好きでした。仔牛は寒いとすぐにおなかを壊したり、熱が上がっちゃったりします。そうなると研究できないので、下痢や病気がでたときも、ほかの牛に罹らないように牛舎をきれいにしたりとか、細かい仕事ですけど、今までで一番やりがいがあったと感じています。牛舎班は、休日も年末年始も誰かが出勤するようなシフトの仕事ですが、種付けをして、母牛から自分がつけた仔牛が生まれて、ま たその仔牛が育ったら、種付けをしていくというサイクルに携われて良かったと思います。

技術支援部から人事部へ

2年前に業務科から人事部の人材育成室という部署に異動になりました。最初に聞いたときにはやっぱり戸惑いました。ちょうど人工授精や体外受精の資格を取って、自分たちで良い牛をピックアップして受精卵をとるところから始めてみようと何度かチャレンジしていたタイミングで上司から人事部っていわれて思わず「えっ?」と聞き返してしました。それまで業務科から外の部署への異動というのはなかったし。「まー、なんとかなるかな」という気持ちになるには一週間くらいかかりました。
人材育成室では業務科の職員の人材育成を担当しています。若い人たちにヒアリングして、「俺こうしてきたよ」って職場内の直接の上司じゃなくて、第3者として言えるっていうのはなかなか良いなと思っています。これからは育成される側の若手だけではなく、中堅クラスの人の話も聞いて人材育成に役立てたいと考えています。研修も担当していて去年1年目でようやく慣れて、新しくやりたいことも出てきて、さあ、2年目に本格的にやろうというところで、コロナが発生してしまいました。直前まで、業務科で中堅を担う人が対象の研修の準備をしてきたのですが、1週間前にできないとなったのがすごく悔しかった。農研機構は全国に職場が あって、それぞれに業務科があって、他に悩みを持った人たちがお互い話すことで解決することもあるかなと言う思いだったので、オンライン研修にチャレンジしてやりきることができました。業務科から人事部に異動したときはちょっとさみしいなとも思ったけど、業務科のことを研究職にも一般職にも知ってもらえるポジションでもあるので、それが機構の成果につながると信じてやっています。

生命誕生の瞬間に携われる幸せ 無事に生まれて良かった~/農研機構オンライン研修元年 構築に携わってきました/小学生から続けている野球 ポジションは?「全部できますっ!」/人材育成室の仲間たち 職種・性別・年齢なんて関係ない!お互いに刺激し合える仲間です