進路決定は、職人への憧れから!?
昔から、いわゆる"職人"に対する憧れと、後継者不足の職業に対する思いがあったのですが、農業の後継者不足を知ったことをきっかけに、農業の現場に近いところで働きたいという思いが強くなりました。高校卒業後、農業大学校養成課程で2年間、さらに研究課程で2年間学び、その後、農事組合法人職員と愛知県の農業試験場の臨時職員を経て、24歳の時に農研機構に就職しました。
最初の勤務地は、三重県にある野菜茶業試験場(現・野菜花き研究部門)でした。その当時、技術支援部には女性が一人もいなかったので、そもそも採用されるのかすら分からない中ダメもとでチャレンジし、無事に採用となりました。着任時、とても緊張しましたが、周りの方々が本当に優しくて面白くて、すぐに打ち解けることが出来ました。6年目に北海道農業試験場(現・北海道農業研究センター:北農研)に異動となりました。北農研での仕事は、私にとっては新しいことの連続で、自分自身の視野を広げるのに役に立っていると思っています。
機械のメンテナンスだけでなく、自分自身のメンテナンスも
北農研での業務は本当に多岐にわたっています。春から秋にかけては基本的には外作業です。耕起にはじまり、施肥、播種、薬剤散布などの圃場管理、それからもちろん収穫、収穫物運搬、研究者のデータ取得のサポートなどを行います。その他、溶接作業や簡単な設備の修理などもあります。また、北農研では広大な圃場もあり大型機械の操作をすることもあります。私も、大型機械をはじめとする各種免許を取得しました。それから、北海道ならではですが、雪が降ると除雪もしますし、冬には屋内で機械のメンテナンスなどもします。
支援部の仕事は力仕事もありますし、体力勝負という場面もやはりあります。もともと体を動かすことが大好きなので、子供が生まれるまでは、フットサルや登山などをして、体力には自信がある方でした。子供が生まれてからは、なかなかまとまった時間を作ることができないので、隙間時間を見つけては、ストレッチや体幹トレーニングなどで腰痛対策などをしています。年を重ねるにつれて、自分自身のメンテナンスも大切だと感じています。
子供の笑顔と周囲の理解が子育て・仕事の両立の支えに
子供は3歳、6歳、10歳と三人います。わが家の子育ての方針は、子供が機嫌よく笑顔で一日をスタートできるようにする、ということです。家事の途中で「母ちゃん、母ちゃん」と呼ばれては家事が進まない!とイライラしてしまうので、思い切って朝食準備や洗濯などの家事は夫に任せて、私は子供の朝支度を担当することにしています。夫の協力なしでは仕事には行けないなとつくづく思います。今はまだ子供たちも小さいので、子供を中心に、子供のペースを乱さないように注意しながら、仕事を含めた生活全般を回していますが、今も最善策を模索中です。それから、育児休業も、それぞれの子供について1年ずつ、合計3年間取得しました。今も育児時間制度を利用して、時短勤務をしています。それでも子供のことですから熱を出したり、体調を崩したり、どうしても休まざるを得ないこともありますが、「すぐに行ってあげな。」と声をかけてくれたり、「残っている作業はこちらで対処しておくから。」と、仕事のフォローをしてくれる仲間や上司がいてくれて本当に助けられてばかりです。こういう職場の雰囲気が支えになっていて、いつかは私もフォローできる側にまわれればと思っています。休日は、「とにかく、子供と遊ぶ!」です。雨の日も風の日も雪の日も子供たちは関係なく遊ぶので、一緒に遊んで一緒に爆睡しています。夏場はキャンプに行って、家族みんなでリフレッシュするのが我が家の楽しみです。
人とのつながりが、私の人生の糧
人との付き合い方って、それぞれだと思いますが、私は、とにかく人と関わっていくことが大好きで、それが私自身の人生を豊かなものにしてくれていると思っています。基本的には、誘われたら断らないタイプです。独身の頃は私がバイクに乗ると聞いて、誘ってくれる人がいれば、ツーリングにもすぐ行くし、登山が好きだということを知って、誘ってくれる人がいれば、登山にもすぐ行く、という感じでした。これまでやってきたことだけでなく、新しいことにもたくさんチャレンジしてきました。三重の研究所でも野球やサッカーをしたり、そうそう、こちらに来てからはサケ釣りもしました!楽しかったですよ。興味があっても、一人ではなかなか踏み出せないことも、経験者となら、チャレンジできるし、そこで交流も広がるって楽しいです。さらに、職種を問わず職場の方との交流が広がることによって、次の仕事にもつながっていくので、遊びであっても全力投球です。
若い方へのアドバイス
子供ができるたびに、仕事を続けるかどうかということを悩んだり、いろいろな悩みを抱えてきました。男性との体力差、ライフステージが変化することへの不安、異動など、考えはじめると、悩むことばかりです。そんな時、私の場合は、一人で思い悩むのではなく、その時その時に信頼できる人に相談しています。 最終的に、決断するのは自分ですが、自分の中で整理することができるので、相談すること、そして相談できる人がそばにいることは何事にも代え難い大切なことだと思 います。そのためにも、よりよい人間関係の構築は大事ですね。