中央農業研究センター

飼養管理技術研究領域

飼料用米のサイレージ調製装置

飼料生産水田・圃場などにおいて有機物施用不足による地力低下が起こる一方で、畜産経営の大規模化に伴う家畜ふん堆肥の余剰が顕在化しています。また、農業従事者の高齢化と減少、輸入飼料価格や子牛価格の高騰などによる経営の悪化が進んでおり、地域内でより省力的に堆肥-飼料-家畜の生産を循環させて地域内畜産経営の安定・持続化に寄与できる技術の確立が求められています。さらに、畜産分野においてTPPの影響を最小限に緩和させるためには、畜産物生産コストの多くを占める飼料費の低減が不可欠であることとから、高品質な国産飼料を省力・低コストに生産する必要性がこれまでになく高まっています。

そこで、飼養管理技術研究領域では、地域で生産された飼料と堆肥の流通利用を促進するため、それぞれの性状や品質に関わる計測手法および輸送・取り扱い技術を開発します。また、水田で低コスト生産可能な籾米および高消化性イネ等高栄養飼料の大量安定調製技術を開発するとともに、これら飼料基盤を活用した乳生産性向上技術、肥育期間短縮技術、受胎率向上技術等、収益性の高い大家畜生産を可能とする飼養技術を開発します。さらに、高品質堆肥の臭気発生抑制型生産技術や堆肥発酵過程で得られる発酵熱の有効活用技術を開発します。これらにより、省力的で資源循環型の大家畜向け飼養管理技術を確立します。

領域長

河本 英憲(かわもと ひでのり)

所属研究ユニット