中央農業研究センター

作業技術グループ

バーチカルハローと真空播種機を組み合わせた耕うん同時播種機によるトウモロコシ播種作業

畜産・飼料作では、大量の飼料や肥料などの資材、あるいは広大な飼料作ほ場を対象にした作業が毎日行われます。平均規模の酪農家が1年間に扱う物量は、生産する飼料作物が数百トン、使用する肥料が数トン、牛に与える餌が1千トン、飲み水は2千トン、そしてふん尿が1千5百トンに上ります。作業技術グループでは、これらを生産したり処理したり運んだりする機械や施設、および、それらを用いて安全で省力的に作業する方法などを、機械・設備メーカなどと共同で開発し、生産者の皆さんと一緒に開発技術を実証しながら、その普及に努めています。

飼料作では簡易耕による周年省力栽培や高速耕うん同時畝立て播種による湿害低減、飼料調製では籾米の省力低コスト大量調製貯蔵作業体系、ふん尿処理では多様な堆肥化副資材の探索や堆肥発酵熱を活用した家畜・堆肥・肥料の生産性向上、粗飼料・堆肥の流通では重量・水分等の迅速測定技術や内容物の性状・生産履歴等の情報を付加した流通方式、等の技術開発に取り組み、省力的で低コストな資源循環型の酪農向け飼料生産・調製・流通・飼養技術体系の確立を目指しています。

このほか、堆肥化処理の切り返し時に発生する粉塵や悪臭の堆肥化処理施設外への漏出拡散を抑制する手法の開発、土壌診断に基づく堆肥散布や施肥管理による放射性セシウムの牧草への吸収移行抑制技術の現地実証、生ゴミや雑草類など地域資源を活用する乾式メタン発酵技術と発酵残さから液肥・堆肥を製造し圃場施用することで化学肥料を代替する技術の確立、なども進めています。

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