乳牛飼養グループでは、乳牛の生涯生産性向上に向け、省力的でかつ健全性の高い家畜管理技術の開発に取り組み、乳牛の育種改良手法、乳牛に必要な栄養素の量やその体内での代謝、代謝に関係する内分泌動態や乳牛の健全性に関係する指標に関する研究などを行っています。
乳牛の分娩後の泌乳パターンの制御に着目した技術開発
乳牛は分娩後に泌乳を開始し、最初の2ヶ月間は乳量が急激に増え、3ヶ月を過ぎる頃から乳量が低下し始めます。分娩後の最初の2ヶ月頃の泌乳増加速度が大きすぎると乳牛に負担がかかり疾病が増えてしまいます。また、3ヶ月以降の乳量がどんどん減ってしまうと酪農家の経済効率や生産効率が落ちてしまいます。そこで、分娩直後の乳量増加が緩やかで、かつ長期間持続的に高い乳生産を維持できる牛を選抜するために、「泌乳持続性」改良に関する育種的研究に取り組んでいます。
乳牛の長命性の延長を可能とする飼養管理技術の開発
最初の2ヶ月の乳量の増加速度を抑えることや、長期間持続的に高い乳生産を維持できる「泌乳平準化」牛の能力を最大限生かし、分娩前後(周産期)に発生する疾病を減らし、長命性の延長を可能とする飼養管理技術の開発に関する研究に取り組んでいます。これらを応用することで、乳牛の生涯生産性を向上しつつ、省力的でかつ健全性の高い家畜管理を実現します。