種苗管理センター

育成者権侵害への対応事例(3)

キク「鞠(まり)かざぐるま」の侵害事案について

1 経緯

  1. (1)平成17年5月、育成者権者は、複数の生産者が切り花を道の駅などで販売していることを把握し、入手した権利侵害疑義品を使った品種類似性試験(比較栽培)を種苗管理センターに依頼しました。
  2. (2)その結果を育成者権侵害の証拠として当該生産者と交渉に臨みましたが、依然として販売を継続する農家がいたため、育成者権者は、平成18年3月に品種類似性試験結果を証拠として愛知県警に告訴しました。
  3. (3)警察は、販売を継続していた農家のハウスで栽培されていたキクを証拠物として押収し、種苗管理センターへ押収物による品種類似性試験(比較栽培)を依頼しました。
  4. (4)その結果、侵害疑義品と登録品種は「類似性が非常に高い」というものでした。警察は品種類似性試験の結果を証拠として検察庁に書類送致しました。
  5. (5)検察庁は裁判所に略式起訴し、平成19年7月に略式命令により罰金刑が確定しました。

2 種苗管理センターによる支援

  • ・育成者権者から寄せられた侵害相談への助言
  • ・育成者権者が入手した切り花から種苗を再生する作業への立会い、品種類似性試験(比較栽培)の実施
  • ・警察からの鑑定依頼による品種類似性試験(比較栽培)の実施

などを種苗管理センター品種保護Gメンが支援しました。これらの支援は、育成者権者による侵害事案への円滑な対応及び種苗法違反を立件する際の証拠採用に貢献しました。